DISNEY LIFE |
その日、朝から雨がパラつく天気であった。「ミッキー&ミニーのダンス・フィーバー」最終日である。実は2人だけでインパークするのは初めて・・・だったのだ、意外だ。大学時代の名(迷)コンビ、キャミ子(別に外人ではない)とパーク、もちろん目的は「スーパー・ダンス・ヒッツ」全ステージ踊りまくることである!特に最終ステージ・・・これだけはゆずれなかった。
もちろん傘をさしては踊れないので、レインコートを買い、着込む。しかし、どうやら早い回は雨で中止になったようだ。腹ごしらえに、チキンボール・チャウダーを食す・・・バカうま!!なんて美味しいの!マッシュルームの触感もたまらないものがある。即刻、私の冬の定番にランクインだ。
そして、ついに残るダンスフィーバーのステージは、20時45分のダンスヒッツを残すのみとなった・・・最終ステージである。しかし空はすっきりしてくれない。最後のステージを嫌がるかのように雨がやまない。しかし、ステージ前にかけつけた人々は、雨に濡れながらも動かない。みんな信じているのだ、きっとステージをやってくれる、最後を見せてくれると。私たちも、濡れながら待った。ひたすら、ステージコンディションが良くなることを祈って・・・いつもの「状況によっては、中止・・」の言葉を聞いても、迷いはない、とにかく立ちっぱなしで濡れっぱなしで待つ・・・と、なんと、キャストがステージを拭き始めたではないか!いっせいに!「ああ、やるんだ、やってくれるんだ!!」喚声があがる、ああ、よかった、ホッとすると同時に、ここからダンスフィーバーは始まっているのだ。スーツ姿の社員まで、濡れながらステージを拭く。拭いても拭いても、雨は落ちてくる。私たちは、それを「頑張って!」と応援する・・・奇妙な、しかしTDLにおいては不思議ではないことなのかもしれない、ステージとゲストの一体感がすでにあった。
私はエレクトリカル・パレードの最終日でそれを経験したのだが・・・この一体感は、どこからくるのであろう。どこの誰とも知らない人たちと、ひとつになった気さえしてくるのだ。みんな気持ちは、心は一緒だからか・・・ただ、ダンス・フィーバーを、最後のダンス・ヒッツを楽しみたいという単純な思いが。
そして、最後まで雨はやまなかった(途中やんだりしたが、またすぐに降る・・の繰り返し)が、完璧にステージはやってしまったのだ!濡れて滑ったら・・・とか余計な心配をしていたのだが、まるで雨など気にならないかのように、むしろ雨という状態がさらに興奮させているかのように、ものすごいステージであった!ああ、そんなに激しく踊ったら滑っちゃうよ・・・!なんて、下にいるこっちがドキドキしてしまうほどである。私たちは前から5列目くらいにいたのだが、最前列などは、もうみんな完璧にダンスを覚えて、最後のステージとシンクロしていた。むろん、私たちもこれでもかというくらい(笑)踊った。大好きな曲が、大好きなシーンが、一つずつ終わっていく。すなわち、もう永遠に体験することはかなわなくなったのだ。踊りながら涙があふれてきた。しかし、すでに雨に濡れて頭から顔から、もうびしょぬれもいいとこである。雨だか涙だか分からない。とにかくぐしゃぐしゃに濡れながら、同じくぐしゃぐしゃに濡れながら踊っているミッキーやダンサーたちと、たくさんの濡れっぱなしのゲストたちと、数十分間、熱い空間を感じた。これが最後だから・・・?みんなの熱意が雨さえも問題にしなかったから・・・?今までで最高の、大迫力の、大興奮のステージだった・・・そして、ついにそれも終わった。と、ここでなんとアンコールの掛け声が起きた。TDLのショーでアンコールなど、私は初めて聞いた。次第に大きくなるアンコールの声、声。もちろん、これでアンコールなどしてくれるわけはないのだが、自然とアンコールの声が起きてしまうくらい、今夜の最終ステージはスゴかったのだ・・・。
私たちはトゥモローランド・テラスに入っても、しばし興奮がさめなかった。あんなに、みんなでひとつになって、雨に濡れながら、キャラクターやダンサーたちがめちゃくちゃイイ顔で踊りまくって・・・一緒に踊って。相変わらず涙は止まらなくて、雨が顔に伝ってくるのと混じって、そりゃもう大変な騒ぎであった。こんなに充実して興奮して、最後を見届け(踊り届け)られて、幸せだった・・・。ああ、この日ここにいられて本当に良かった!!記念に、ステージの前でキャストに写真を撮ってもらう。こうして、ダンス・フィーバーは終わった。まさにフィーバーなんてもんじゃない、高熱に侵されて踊り狂ったイベントは幕を閉じた。輝くミッキー型ミラーボールの下で、いつかまた踊れる日を夢見て・・・
左が私、右がキャミ子・・ここがディスコと化した