《有難い 心動かす ひとときを》

Welcome to Bear's Home-Page
ホームページに戻ります

家庭の窓にリンクします! 家庭の窓


 地元の中学生たちが職場体験事業の一環として,訪問をしてきます。出迎えの挨拶を一言と,担当係長から依頼を受けました。社会人の世界にちょっと踏み込んでみようということですが,その一歩を記憶に残すためには言葉というキーワードが必要になります。初めて聞く言葉はいきなりの挨拶の中では緊張しているので掴まえるのは困難でしょう。
 普段の暮らしで馴染んでいる言葉を,違った状況に印象づけてやることで,新しい視点を持たせてやることにします。中学生までに育ってくる間,周りの大人の世話を受けてきました。その際に「アリガトウ」の言葉を発するのが礼儀と覚え込んできたことでしょう。職場に入るということは,アリガトウと言ってもらう立場になることです。アリガトウを言う立場から聞く立場に逆転することになります。
 その立場を自覚する言葉を覚えなければなりません。それがドウゾという言葉です。ドウゾと世話や支援などを提供するから,アリガトウという受領の感謝の言葉が出番を得ることができます。職場はドウゾの世界なのです。ドウゾがあるからアリガトウが付いてくる,これが人が生きていく関係の形です。人は人間と言いますが,人の間,この間の構造が先のドウゾと後のアリガトウの一対の言葉なのです。
 もしも,アリガトウを先にしようとすると,それは奪うことになり,人としての間,間が違うので間違いになります。いろんな職業を通じて,ドウゾと助けを受けることで生きることに間に合うことができます。
 アリガトウの立場にいる自分,職場というところではドウゾの立場に立つことになる,その位置関係をイメージしてもらえると,職場体験のスタートに立つことができるはずです。きちんと伝えてやりたいのですが,挨拶の短い話では頭に残らないかもしれません。ゆっくりと気持ちを込めて話してみようと思います。

ご意見・ご感想はこちらへ

(2024年09月15日:No.1277)