家庭の窓
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老人会改めシニアクラブの連合会で演芸大会が開催され,来賓としてお招きを頂いています。祝辞の依頼を受けていますので,一言述べなければなりませんが,さて何を語ってお祝いとすればいいのか,悩みます。シニアクラブの目標は健康長寿です。そこに結びつけた話をすれば,的外れにはならないことでしょう。
高齢になるとどうしても心身の衰えに向き合わされます。健康であり続けるには衰えていく筋力をなるべく維持するために,普段あまり使わない身体の部分を動かすトレーニングが大事です。芸を演じる所作はまさに普段は使わない動きがいっぱいあります。また,芸には目指している願いがあります。心の状態を整え表現を美しくしようと考え巡らす営みは脳のトレーニングになっています。トレーニングと言えば,何となくとってつけた行動に思われますが,芸を演じるというしっかりした意図のある行動は真剣味や継続性という面でも,素晴らしいものではないかと思います。
それぞれの皆様が日頃自分の心身を傾けて練り上げられた芸を見て聞かせていただくことは,会場の皆様と同じに,とてもうれしく思います。舞台と会場が一体になって楽しい一時を過ごすことができることを願って,お祝いの言葉とします。
文化協会の一部門である囲碁・将棋の部門で大会が開かれ,そちらにも来賓として招かれていて挨拶もあります。何を話すか,考えなければなりません。
囲碁・将棋はともに間に盤をを挟んで向き合います。石と駒を操ってお互いに対話をします。その目標は,石の配置や駒の動きを通して,絡み合いの優劣を決めることです。どのような局面が優れているのか,それは相手に応じて変幻自在なので,探り出すことは大変な読みを必要とします。探りを入れて試してみて動きに合わせて手のひらを返したり,思いがけない展開に出会うこともあります。
先を読むということが大事なことですが,そのためには可能性をどれほど想定できるかによって,深さが決まります。手順を辿りながら,現れてくる局面を盤面の上に思い描くときが苦しくもありますが,対局の醍醐味でもあります。人それぞれに独特の特徴が現れてくるはずですが,それに付き合うことで自分の新たな可能性に出会うはずです。そうか,こうすればいいんだ,あそこで変わったんだ,読むためのポイントは対局の中から見つかるものです。
対局の機会を重ねることが,お互いの切磋琢磨の機会になります。勝っても負けても,明日に向けて一歩の歩みを今日はできることを楽しみにがんばってください。
いずれも当事者に向けてのメッセージになっています。ただ,書き言葉の文章にすれば以上のようになりますが,話し言葉では論理の流れは単純でなければ伝わりません。祝辞には,もっと短くまとめる必要があります。それは当日に・・・。
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