家庭の窓
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いつも通っている道の脇にある樹木です。金網の内側に植えられていますが,枝が伸びて金網の外に飛び出しています。歩道の邪魔にならないように剪定されていますが,網目の内に閉じ込められてはいないようです。ちょっとだけだよと,お目こぼしをされて外にはみ出しています。金網という防御の役目を枝で手伝っているつもりでしょう。三本の樹木が足並みならぬ枝並みを揃えています。
金網と樹木ががっぷりと絡み合っている光景は,樹木の伸びたいんだとい積極性と,金網の仕方ないなという受容を醸し出しています。樹木の立場に寄り添うと,こんな身近に金網があってと幾分困りながら,避けて伸びるしかないかという状況です。金網の方は,なんで絡むんだよ,うっとうしいなというところでしょうか。
このように,両方が我慢して絡んでいるのだろうと思う一方,それとも共に良かったと歓迎しているのかもしれないと思うこともできます。枝にすれば,風に吹かれて折れないように金網でしっかり支えられ助けられていることになります。金網の方は木の葉にかばって貰うことで寒暖差を緩和してくれているという利点を得ているかもしれません。
寄り添うという状態はしない方が気楽ですが,状況によっては寄り添わざるを得ないこともあります。それぞれ面倒だと感じながら,仕方ないなと受け入れて,やがて案外助けになることもあると気がついていく,そのような経験は誰もがしていることでしょう。
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