*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

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【子どもへの啓発:1?】


 人権の花ひまわりの植栽を小学校に依頼し,小学生のがんばりに対して感謝状を贈呈するセレモニーが開催されます。依頼者としての人権擁護委員から,お話をすることになっているのですが,その任を仰せつかりました。大人を対象とする話は経験しているのですが,小学3年生を相手とした話は経験がありません。挨拶なら何とかなるのですが,人権メッセージを込めた小話は,大人とは違った工夫がいるような気がしています。
 周りの例を見聞すると,紙芝居や人KENまもる君との掛け合いなど,素晴らしい工夫がありますが,その方面の活動については全くの素人なので,二の足を踏んでしまいます。自分にできることをやるしかありません。エンターテイメント抜きの面白くないものになりますが,仕方がありません。

 こんにちは。私は人権擁護委員の○○といいます。少しお話をさせて下さいね。
 ここにあるパネルを見ると,皆さんがひまわりを一生懸命に育ててくれたことがよく分かります。
 種はたくさん取れましたか。いっぱいとれましたね。ひまわりもとてもうれしかったので,皆さんによろこんでもらおうと種をたくさん作ってくれたのでしょう。よかったですね。来年もひまわりの種を蒔いてあげて下さい。
 ひまわりを育てるとき,皆さんは優しい気持ちになったはずです。その優しさを忘れないで下さいね。

 さて,皆さんは,お友達がたくさんいますか? お友達が一人二人と足し算で増えるといいですね。皆さんは足し算って知ってるかな。問題を出すから答えてね。男の子が3人,女の子が2人います。足したら何人ですか? 5人! 5人は男の子ですか,女の子ですか? 違う! 5人は何ですか? 男の子と女の子は足し算できません。どちらも子どもだから,足し算できます。鉛筆3本とバナナ2本は足せませんね。鉛筆とバナナは同じではないからです。足し算は同じものでないとできないのです。リンゴ3個とミカン2個は足せますか? どちらも同じ果物だから,足すことができます。
 お友達を足し算のように増やすためには,同じところを見つけて下さい。皆さんは顔も名前もみんな違います。でも,同じ3年1組だから,2組だから,友達になれます。学年が違っても,同じ○○小学校の生徒だから友達になれます。おじさんたちと皆さんは子どもと大人と違っていますが,同じ○○町に住んでいるから友達です。同じところを見つけると,だれとでも友達になることができます。違っているけど,どこか同じところはないかなと一生懸命考えて,同じところが見つけられたら,足し算ができるということを覚えておいて下さいね。友達を足し算するお話でした。
 これで,おじさんのお話は終わります。ありがとう。

(2008年10月21日)