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「第 100-10 章」 |
『子育ちは 偽りなくて 真っ当に』

■子育ち12賢愚■
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『子育ち第10賢愚』
【偽:偽者を演ずること】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第100版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,状況を特徴付けるキーワードとなる語を選んで育ちを展望していきます。ただ構成上に変化を繰り入れます。奇数号では賢い育ち,偶数号では愚かな育ちという配置をします。育ちが望ましくない向きにずれていかないためには,避けるべきことにも目配りをしておくべきです。予め推奨すべきことと同時に注意すべきことを知っておくと,安心することができるはずです。
《偽について考える?》
世間にはあれやこれやの偽物が後を絶たずに登場してきます。役所の職員や警察官をかたって電話を架けてきて,金銭をだましとるとか,ロマンス詐欺などいろんな偽物が出現しています。少し前には,息子を語る偽物が国中を徘徊していましたが,いっこうに衰えをみせません。偽物が蔓延っている世の中は,不信感を募る住みにくさに止まらずに,偽物が当たり前になっていくという怖れを押しつけてきます。偽装○○を犯してしまう卑怯な性根を育てないようにしないと,取り返しが効かない禍根を招くことになります。
社会生活では誰しも身を守るために,幾分か自分を偽ることがあります。顔で笑って心で泣いてという状況です。クラスメートにからかわれて,いじられキャラであると自分に言い聞かせてやり過ごしながら,実は心に痛みをじわじわと感じていることがあります。いじめられても,親の前では何もない平穏な状況を見せつけてしまいます。偽らない方がずっと楽なのに,わざわざ辛い偽りに向かわせているのは何でしょう? 弱い自分を見られたくないという自尊心でしょうが,自らを偽ることの方が自尊心を壊すことなのです。
急速に進展する情報社会に育つ子どもたちは,大人顔負けの知識を持っています。「知っている」ことがたくさんあり,すべて分かっていると思い込んでいます。知っているからできるとはならないのが現実ですが,それよりも,生きることのできる知恵が欠けています。お母さんが入院したとき,「ご飯はどうするの?!」と,自分の無知に気付かされる子どもがいます。助け合って生きているはずの家族ではなく,ただの同居人でしかない偽家族であると,生きる力の育ちは不可能です。生きる力が自信の礎になります。
フェアメンというイメージ語があります。暴力を決して振るわず,パートナーを対等な相手として尊重する男性のことです。例えば,自分がうまくいかないことを相手のせいにしないといったチェックが考えられています。フェアメンは,結婚してから成れるものではなく,育ちのなれの果てです。子ども時代から,フェアメンになる下地を育んでおくべきです。世の流れを見ていると,下地がなく付け焼き刃では,熟年離婚という将来を約束されていると予測しておいた方がよいようです。
★落書き★
奴隷解放宣言で有名なリンカーンは,37歳で連邦下院議員になり,51歳で共和党から大統領選に出馬しました。その選挙中に,11歳の少女から手紙をもらいました。そこには「あなたのお顔は痩せ過ぎなので,ヒゲを生やした方が見栄えが良くなると思います」と書かれていました。そのアドバイスにしたがってヒゲをたくわえたリンカーンは,イメージチェンジの効果もあってか選挙に勝利。米国史上初めてヒゲを生やした大統領が誕生しました。
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