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「第 50-11 章」 |
『子育ちは 休みながらも 一筋に』
■子育ち12心能■
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『子育ち第11心能』
【動機心能】
《まえがき》
ハーバード大学のハワード・ガードナーが多重知能という概念を提唱しています。脳の研究によって,ある部分は視覚に,ある部分は聴覚に,ある部分は情動に関係しているというように脳の機能が分かってきたことを受けて提唱されました。提唱された多重知能とは,言語的知能,論理数学的知能,音楽的知能,身体運動的知能,空間的知能,博物的知能,対人的知能,内省的知能の8つです。
これらは学校教育の中で教科として成り立っていて,国語,数学,音楽,体育,図工,理科に対応しています。ところで,最後の方の対人的知能と内省的知能というのは教科として存在しません。この2つ,すなわち,人と人との間の関わりに関する知能と,自分自身の中を見つめる知能が,サロベイ,メイヤー,ゴールマンが提唱している情動知能(Emotional Intelligence)に当たります。
この版では,情動知能に基づく研究の結果を参考にさせていただき,羅針盤らしくまとめてお届けします。子育て羅針盤12章では,奇数章で自分自身に関する「私の育ち」(→内省的知能),偶数章で人との関わりである「私たちの育ち」(→対人的知能)を考えていますので,構成が偶然にも一致しているということが幸いしています。
心能という言葉は,この版のために創り出した造語です。情動知能が心の知能とも呼ばれているというところから,心能と略して使っています。造語ですので,世間では通用しないことをご留意ください。
《やる気》
やる気がないと,人は何もしなくなります。やる気を出してほしいと願うのですが,簡単ではありません。檄を飛ばす、尻をたたくというやり方が,体罰という一線を越えていくことになりかねません。内なるやる気を引き出すつもりで、外なる痛みでたたき出そうとしてしまいます。北風と太陽の話を知っていても,それを生かさなくては知恵を無駄にしていると反省しなければなりません。深いところに芽生えたやる気を膨らませる仕掛けが機を動かすという動機になります。
○お子さんは,自分でやろうと思ってやり始めたことは、続けていこうとしていますか?
根気という言葉があります。根っこの気概というのでしょうか。思うことは頭ですることです。思うだけでは何も起こりません。思ったことを実行に移すためには,根っこという自分のもっとも奥深いところからわーっと湧きあがってくる気概を静かに持続的に注ぎ込まなければなりません。熱しやすく冷めやすいという一時的なものではなく,穏やかなひたむきさを育ててやりましょう。遊びの中でひたむきになっているとき,そのひたむきさに水を差さないようにしましょう。やっていることがつまらないことであったとしても。
○お子さんは,一度やり始めたことは,最後までやり通したいと思っていますか?
親がしつけることの中に,きちんとするということがあります。具体的にはどういうことでしょう。一つは,けりが付けられるということです。中途半端に終わるということはだらしがないということになり,きちんとしていないのです。どんなことをしていても,仕上がりということがあります。それが最終に至らないときにも,一応のけりがあります。今日はここまでにしておくといった区切りです。そこまで仕遂げると気分が良いという経験を持たせてやってください。遮ることで中断する癖をしつけないようにしましょう。
○お子さんは,すぐにできなくても、大切なことはやり続けるようにしていますか?
すぐにできてしまうということは、すぐに飽きてしまうものです。すぐにできないことは,必ず休みが入ります。疲労の回復のためとか,一日が終わるといった条件によるもので,中断はやむを得ません。大切なことは,一気にやり続けるということではなく,具体的にいえば,再開する、続きをつなぐことです。今日はここまでと区切りを付けることが大切ですが,そこでもう一歩,明日の分に入り込んでおくつもりにしておくことです。例えば,寝る前に明日の準備をしておくといったことです。続きをつなぐことが頑張ることです。
継続は力なり。そういう言葉が色紙に書かれます。昨日を今日につないでいくと,知らないうちに力が付きます。今日やっておくことを,明日しようと先送りしていくと,続きが途切れて力は空回りするだけです。ところで,社会では,個人の力が他者の力とつながることで,より大きな力を発揮できるようになります。逆に,自分本位な力や気まぐれな力は信頼されないので,つながりが拒否されることになります。孤立している力は邪な向きに暴走するか,彷徨うことになります。力はつながることで価値が備わります。
★落書き★
読書や情報機器の視聴に耽っていると,目が疲れてきて,しょぼつきます。疲れているのは目のどこの部分でしょうか。レンズである水晶体を調整している毛様筋です。本や画面を見るとき,数十センチの距離です。その近距離を見る焦点を合わせるには,毛様筋を収縮させる必要があります。毛様筋を縮めて水晶体を厚くしています。長い時間毛様筋を縮んだままにしていると疲れてくるので,少し緊張を緩めようとして,目がしょぼつくのです。疲れたときは,遠くの景色を見て,毛様筋を自然に伸び伸びさせてやりましょう。
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