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「第 51-01 章」 |
『子育ちは 自分が決めて 冷静に』
■子育ち12因子■
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『子育ち第1因子』
【主体的決断】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。
《決断》
自分であるかどうかを確認できるためには,さまざまな選択の場面で,自分が決めているかということです。命令されたり指図されたりすると,人は嫌だなと感じます。それは,自分のことをもう一人の自分が決めていないからです。反抗期の子どもが,いうことを聞かなくなるのは,決定権をもう一人の子どもに返還しろという訴えなのです。言わないとしない子どもに育てたくなかったら,もう一人の子どもがしようと決断するように仕向けることです。
○お子さんは,感情的にならないように常に心がけていますか?
感情がない人というのは,どこか気味が悪いですね。でも,感情的な人というのは,付き合いきれません。感情とは厄介なものです。その感情を上手に制御するためには,対抗する理性を育てなければなりません。義理と人情の板挟みという切ない状況もありますが,落ち着いた状況というのは,もう一人の子どもが自分を掌握していることです。自分の中の感情を,もう一人の自分が冷静になれと諭すようになればいいのです。話せば分かるという平穏な心の状況は,もう一人の自分がいてこそ実現されます。
○お子さんは,しがらみがあっても,人のいいなりにはならないようにしていますか?
大人ほどではないにしても,子どもにもそれなりのしがらみがあるでしょう。友達であると思っていた子どもから,ある日無理なことを押しつけられることがあります。友達であったことを忘れがたいという気持ちから,きつく嫌だと言えないことがあります。どうすればいいのか分からなくて,暗い気持ちを抱えることになります。嫌なことは嫌だと言っていいと,支えてやることが大切です。もちろん,いいなりにならないことは,相手と場合によりますが,大人は無理に従わせようとしないことです。
○お子さんは,自分に起こることを受け入れられるようになりましたか?
わがまま気ままに振る舞えないことがあるときに,駄々をこねたり不貞腐れたりする子どもがいます。自分に対する不自由な束縛を,他人から強いられたものと考えると腹が立ちますが,もう一人の自分が今は不自由さを我慢しようと決断すると,受け入れることができます。順番待ちも,待たされるのではなく待とうと決断すればいいのです。自分で決断することが事態を受け入れることにつながります。自分に都合の悪いことはすべて他人のせいにするのは,もう一人の自分の決断力が機能していないわがままになります。
新学期になりました。子どもたちは学年や学校が一つ進みます。昨日まで園児だった子どもが今日から1年生,小学生だった児童が今日からいきなり中学生です。たった一日で学年が一つポンとあがりますが,成長はそんなに急には進みません。数か月経てば,一年生らしくなってくるから不思議です。学校に行く機会には,下の学年の子どもたちを見てください。そこには1年前の我が子の姿があり,1年後の成長が実感できるはずです。上の学年の子どもたちは,1年後の我が子の姿です。
★落書き★
暖かくなりました。ところで,北極と南極では,どちらが寒いでしょう? 同じ極ではあるのですが,温度は違います。北極の平均気温はマイナス30度前後で,南極の平均気温はマイナス60度だそうです。南極は大陸で北極は海です。大陸は熱しやすく冷めやすい特徴があります。北極の氷の下にはマイナス1・8度以下にはならないので,冷えすぎることがありません。また,南極の氷の厚さは2450mあって,標高が2000mの山の上となるので寒くなります。北極は氷原で標高は数十mです。
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