*** 子育ち12章 ***
 

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「第 51-03 章」


『子育ちは 人とつながり 安んじて』


■子育ち12因子■

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『子育ち第3因子』

【主体的安心】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。2つの領域にそれぞれ6つの視点を重ねると,12の論点が生じます。
 第1の誰が育つのかという問には,鏡に映っている自分を見ているもう一人の自分が育つと考えます。しっかりしろと自分を励ましているもう一人の自分が育たなければならないのです。これまでの子育て羅針盤の形式に添って,奇数章では,もう一人の自分の育ちを考えていきますので,この版では特別に分かりやすいように「主体的」という言葉を冠します。偶数章では,人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。他の5つの視点についても,同様とします。

《安心》
 不安があると眠れなくなります。それは不安に意識が囚われて,動けなくなるからです。気持ちを自由に解き放つ安心がなければ,眠りには入れません。眠りというのは,無意識の下での体験の整理活動をしている状態です。意識下の活動で起こった脳内の配線変化を修復したり組み替えたりする保持活動がなされます。寝る子は育つというのは,寝ることで頭の中がきちんと整理されていくからです。安心して眠る,それが昼の活動を知恵として後始末できることであり,育ちを着実に日々積み重ねることにつながります。

○お子さんは,単なる八方美人ではなく,誰でもつきあえていますか?

 みんな仲良くということが要求されると,つらくなります。誰とでも仲良くなどできません。人はさまざまですから,皆と仲良くしようとすると,多くの面で自分を偽らなくてはなりません。そこには限度があり,度を超すともう一人の自分は混乱し,自分が壊れます。仲良くするのは数人にして,さらりとした付き合いを普通のこととすればいいのです。付き合いの程度に深い・浅いという変化を持たせるようにします。誰とでもきちんとあいさつはする,嫌みなことは言わないようにする,それを守っていればいいでしょう。

○お子さんは,人と過ごしてみて,一人ではないという自信を得ていますか?

 誰からも相手にされないと,淋しさを通り越えて,不安になります。もう一人の自分が,自分の存在に疑問を持ちます。「自分はここにいていいのだろうか?」。街の雑踏の中では,周りの人と自分の間には何のつながりも感じられません。多数の中の孤独を避けるためには,人と共に何かをする時間と場を持たなければなりません。人とのつながりの中で過ごしていると,他者から認知されている自分を見て,もう一人の自分は安心します。自分は存在していいんだと信じることができます。それが自信の根幹です。

○お子さんは,自分のことを考えてくれる人がいると分かって,がんばっていますか?

 子どもは自分のことを親が気遣ってくれているかどうかを,とても気にしています。親も子どものことを考えています。ところが,親の考えていることは,明日の子どものことであることから,今日の子どもからずれています。子どもは自分のことを親が分かってくれていないと感じます。今そばについていてくれると感じることが安心感です。現実には離れていても,お母さんの気持ちのこもったものを身につけているといったことでいいのです。見守られていると安心するとき,子どもは育ちに向かってがんばることができます。



 地方議員の選挙に立候補する方の一覧が新聞で報道されます。各人の略歴が数行掲載されています。どのような経歴の持ち主か,それが人を判断する情報の一つです。環境・経験によって人となりが育まれるからです。その略歴の中にPTAでの役職経験を提示している方が数人おられます。子どものために社会的団体の活動に主体的に関わったという経験は,認知されるものであると思われています。皆のためにという気持ちを持つことで,人は居場所という安心を共有できるようです。

★落書き★

 まぶたに小さな腫れ物ができると,うっとうしいですね。子どもはよくこの「ものもらい」ができます。ところで,ものもらいとは,人からうつるから,もらうからという意味だと思っていませんか? 細菌に感染するのが原因ですが,人から伝染することはありません。昔の人は,ものもらいを治すには,バランスのとれた食事を摂ることが肝心と考えていました。そこで,他の家の食べ物を分けてもらうと,普段不足している栄養が摂れるかもと願って,食べ物というものをもらう民間療法があり,腫れ物の名前になりました。


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