*** 子育ち12章 ***
 

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「第 54-11 章」


『子育ちは 今の自分を 考えて』


■子育ち12活力■

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『子育ち第11活力』

【課題を発見できる:現状分析】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。

《課題を発見できる》
 生き物の行動はどのように決定されているのでしょうか? サイバネティクスという学問が生物の運動の形式を真似をして組み立てられました。生き物の行動をステップに分けると,
   1.目標を定めて運動を開始
   2.目標とのズレを調べる
   3.狂っていたら修正をする→機敏に変化に対応する力
   4.再びズレを調べる…(繰返す)
 精密な目標決定だけが科学的方法ではありません。それは無限の可能性を計算することになり,結論が出ません。現実的には,とりあえず行動しながら,ずれを修正しつつ目標に向かうのが,自然の妙理です。考えるのはほどほどにして,やってみるということです。結論ありきでは,行動はフリーズするだけです。
 行動の際に大事なことは,目標とのずれを感知する力です。人間の場合,人体の情報は全てが共有しています。歯が痛くても行動全てに影響することからも分かります。不便なようですが,だからこそ人は高度な行動が可能になります。見聞きだけではなく,五感を働かせる経験を重ねれば,課題が見えてくるはずです。

《現状分析》
 子どもに「少しは考えなさい」ということがあるはずです。でも,考え方を教えていますか? 思考は,適度がよくて,過ぎても,足りなくてもいけません。いい加減な思考をしましょう。過思考は,考えすぎて結論が出ずに,行動に届きません。あれやこれやの悩みの迷路にはまり込みます。無思考は,考えない,考える気もないので,行動に到る手がかりが見えず,立ち往生状態になります。考えるというと,頭が痛くなるという反応をしがちですが,ちょっとでいいので,頑張りましょう。
 考え方を知っていなければなりません。何を考えたらいいのかということです。簡単に言えば,「今の自分ができること」を考えるのです。今できそうなことは何かを考えて,とりあえず結論の予測は後回しにして全力で努力する,それ以上のことは後で考えようと,思い切ることです。先の結果を考えるのではなく,今の手掛かりを考えるのです。高校野球の監督が語っています。「百メートル11秒台で走れる俊速選手が盗塁をしない」,「アウトになりそうな気がする」と先の失敗結果を考えるので,動けなくなっています。やってみながら考えると,考える材料がその都度自然に揃ってきて,考える範囲が狭まってくるので,楽に考え続けることができます。今の自分から考えることを覚えましょう。



 子どもも大人も,得手不得手があります。不得手なことは不器用です。不器用である最大の原因は,コントロール能力を養う動作や作業の絶対的な経験の不足です。例えば,上手に転ぶ,木を削る,買物上手など,日常生活の中で自然に体験していきます。コップの水をこぼさずに運ぶという行動も,必要なのは力ではなく,筋力のコントロール能力です。こぼすという失敗経験から静かに器を固定する力の加減を会得します。運動神経は身につくものであり,それは神経系が学習経験の記憶をすることなのです。

★落書き★

 台所のことをお勝手と呼びます。弓道で,弓を支える左手を「押手」と呼び,一方,自由に動かせる右手のことを「勝手」と呼びます。この呼び方に倣って,女性が自由に使える台所のことを「お勝手」と呼んでいるのです。今の女性は,台所だけではなく,家中を自由に使っておられるようで,勝手気ままにお過ごしのようです。冗談は別にして,弓道の言葉が暮らしの場の呼び名に転用されているのは,昔は,弓の技が身近であったということです。


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