*** 子育ち12章 ***
 

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「第 54-13 章」


『子育ちは 互いの命 響き合い』


■子育ち12活力■

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『子育ち第13活力』

【自他を尊重できる:生命連鎖】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の方位構成となります。
 この版では,「生きる力の育成を目指す教育内容・目標の構造」という提言の中で例示されている項目を参考にしつつ,子育て羅針盤の視点から考えてみることにします。

《自他を尊重できる》
 教室で教えていると,落ち着きがあるクラスとないクラスに出会います。落ち着きがないクラスは,思考を捨てている子どもがいるクラスです。数人の傍若無人な振る舞いがクラスの雰囲気を乱します。周りにいる人のことを考えることができないのです。こんな事例も聞かれます。課題の写生が描けなくて友の作品を盗んで提出し,発覚すると,盗んだ少女も家族も教師の指導力の不足を批判してくるというのです。盗まれた少女の苦境を分からず,考えることができません。
 障害を持った友達に向かって「オイチニ,オイチニ」と囃し立てる学年トップの子どもがいます。障害を持つ子どもは学校に行きたがらなくなりました。知識は持っていても,人として不合格です。学校でのことなので先生が注意をすればいいことと逃げないでください。注意をして応急的に止めさせることはできますが,友達を思いやる素養は親が時間を掛けて育て上げるべき課題です。友達を理解し,自分がどう向き合えばいいのかを考えて実行する,それが人として生きていく上で必要な自他を尊重できる資質です。

《生命連鎖》
 家族という概念が崩れてきたために,生きるということのイメージが偏屈になっています。自分の人生という思い込みが強くなっていると感じられます。自立するように育てられて,実のところは孤立しているようです。確かに自分の人生ではあるのです。しかし,100%自分だけのものではないと考えることが,人としての生き方でした。生命の流れを「ありがとう」と受け取って,さらに次の世代に「どうぞ」と伝える責任を自覚することが大切だと思います。
 連綿と続いてきた命を受け取ったのに,自分限りで途切れさせることになることを不義理と感じさせるのが,家族です。命の連鎖を幾分か意識できていればこそ,命を支え合う仲間として家族や隣人,周りの人を愛おしく感じることができます。出生率が下がって人口が減少するということは,明日の命を間引いていることです。食物は命を頂くことだから,きっちりごちそうさまと感謝するのだと言われますが,明日の命を割り引いている生き様は,なにかしら欠けているようです。親・子・孫という家族が生きる心棒なのです。



 テストが採点されて返されました。算数のテストで80点! 「お隣のユイちゃんは?」,「90点」,「ダメじゃないの,もっとしっかり」。「でも,ハルト君は60点」,「人のことはどうでもいいの」,「??」。上を目指して競争するという意欲,それは人を蹴落とすという理不尽さを生み出すとして廃棄されることになっていても,しぶとく生き残っていきます。ライバルというのは相手を尊重することであると再確認して,一緒に高め合うようにすればいいのです。

 さて,今号で,「子育て羅針盤:第54版」が完結します。例のごとく,次週4月からは,第55版に入ります。子育ち,子どもが育つということを,12の定義として体系的に表現しようと思っています。子育てについての格言や名言,川柳などたくさんありますが,イメージをまとめてくれる形にはなっていずに,バラバラの状態です。この羅針盤が最も大事にしていること,それはこれだけ知っておけば必要十分であるというまとまりを作り上げることです。これまでの版同様にお付き合いくだされば,幸いです。

★落書き★

 お茶と言えば緑茶,グリーンティです。緑のお茶,つまりお茶は緑です。ところで,茶色と言えば,褐色を意味します。色としての茶は,飲み物ではなく,茶染めによるものです。お茶の葉で布を染めると,褐色に染まるので,茶色と呼ぶようになりました。茶色には,海老茶,鶯茶,焦げ茶などがありますが,見分けがつきますか? ねずみ色という色もありますが,最近はネズミを見る機会が少なくなって,連想できなくなっています。考えるといい気持ちにはなりませんが・・・!(ごめんなさい)


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