*** 子育ち12章 ***
 

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「第 61-08 章」


『子育ちは 貪り抑え 思いやり』


■子育ち12表裏■

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『子育ち第8表裏』

【貧】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第61版では,私の育ちの項では表の選択を,私たちの育ちの項では裏の選択を考えてみます。

《貧について考える?》
 昔話には,程を弁えているおじいさんと,貪りがちなおじいさんがいて,良い結果と悪い結果が対比されます。貪りは戒めるべきことと語り継がれてきたのは,社会的な悪の道に迷い込むことを危惧するからです。人は例えば食欲といった欲望を満たしつつ,生き抜いています。欲はほどよく控えるようにしないと,身を滅ぼすことになります。腹八分を越えて腹十分や十二分と食べ過ぎると,肥満になり,やせるための無駄な努力を強いられます。貪りに心を奪われるのは,思慮を欠いた所行です。

 人が生きていく社会には,平等という原則があります。その原則を保持するためには,限られた資源を皆で利用する際に足るを知るという抑制が不可欠になります。もしも,人より余分に手に入れようと欲張れば,結果として誰かの分を奪うことになります。その奪うという行為は,一般に悪行の基本的なパターンになります。貪りは悪の根源であると意識して,悪に染まらないために,貪りの手前で欲望の制御をするように心掛けるのが,健全な生き方です。

   貪りを抑制するのは,欲望が満たされないことなので,どうしても不満が残ります。不満のままにため込むと,やがて抑制は暴発を招きかねません。貪ることがみっともないこと,はしたないことと思い直しをし,さらには,その抑制がまわりの人への配慮や思いやりであると逆転する発想が大事になります。親は自分の分を割いて子どもに食べさせようとします。貪りを抑制することで,人として持つべき他者への愛に気付くことができます。大事な心根は何かを失うことで手に入るのです。



 胎児虐待という言葉があるそうです。妊婦健診の未受験や妊娠期の薬物依存が,胎児の健康や生命を脅かすとして,福祉や医療の現場で虐待と認識されるようになってきました。直接危害を加えなくても,母親が摂取した物や負の感情が,胎児に影響を与える可能性もあるそうです。胎児が薬物やアルコールなどの成分を「母の味」として認知する危険性を指摘する医師もいます。妊婦の感情も胎児に影響する可能性もあります。胎児は何も分からない無の存在ではなく,生きている存在なのです。

★落書き★

 集団の中で頭になる人を親玉と呼ぶことがあります。江戸時代からだそうですが,その理由はなんでしょう。数珠を手にしたことがありますか? 数珠の玉の数は百八個が普通で,半分の五十四個,二十七個の物もあります。どの数珠にもその中心には,ひときわ大きな玉があり,それを親玉といいます。頭領を意味する親玉は,この数珠の親玉からきているそうです。中心となる存在ということです。何がどう繋がっているか,わからないものです。


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