*** 子育ち12章 ***
 

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「第 68-06 章」


『子育ちは 言葉を選ぶ 人ごとに』


■子育ち12改善■

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『子育ち第6改善』

【幼児語から大人語へ】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第68版では,いわゆる「子育て」から「子育ち」への改善について,お伝えしようと思っています。子どもを育てよう,育てなければと願うあまりに,子どもの育ちに水を差したり邪魔をしていることになっていることに気付いてほしいのです。子育てでのしつけのつもりで叩いてしまうと,子育ちを壊す虐待になるといったことが起こらないようにしたいと願っています。決して子育てがいけないということではなく,子育ちとの上手な連携を保っていただきたいのです。

《幼児語から大人語へ?》
 物事を理解するために言葉を使います。人を分かるためにはたくさんの情報が必要になります。その手間を惜しんで簡単に類別しようとすることがあります。子どもだから,年寄りだから,女だから,勤め人だから,日本人だからと,勝手な類別の枠を選んで納得しようとします。果てには血液型まで持ち込むこともあります。それもそれなりに役には立ちますが,そこで判断を止めてしまうから,まっすぐに人を見なくなり,思いこみという誤解の闇から抜け出せなくなります。

 おはよう。おはようございます。どちらが丁寧かは,字を見て比べればすぐに分かります。でも,口にするときは案外といい加減です。お父さんのまねをして,子どもが「おはよう」と大人や先生にあいさつしたら,大人は奇異に感じます。ぞんざいな言い方と思うはずです。こんにちは,こんばんは,さようなら,にはそんな使い分けはありません。「ボールを取って」ではなくて,「ボールを取ってください」でしょ!? 「ボールを取ってください」と言いましょうね。終わりをきれいに。

 子どもは流行語を覚えます。しかし,流行語は一過性のもので長くは使えません。スナック菓子のようなもので,育ちの糧としてはほとんど役に立ちません。テレビから聞こえてくる言葉も,日々の暮らしからは遊離しているので,社会では不適切になります。言葉遣いには場所を弁えるという大切な配慮が必要になります。子どもには分かりにくいことなので,どこで話しても良い言葉をきちんと教えておくように,家庭で気をつけなければなりません。

 そこまで言う! それは相手を非難するときに起こります。言わないと分からない! それは相手に遠慮しているときに起こります。相手を気遣った言葉遣いは簡単ではありません。ものも言い様で角が立つといわれていますが,言葉遣いは普段から練習しておかないと,付け焼き刃は効きません。言い過ぎや言い足りないという経験をしたとき,それをどう修正すればいいのか,その都度きちんと教えていくように気をつけておいてください。

 最近は親や先生が友達感覚で子どもと話すのが普通のようですが,家庭・学校から世間に出たときに,きちんとした言葉遣いができずに,人づきあいが怖くなる発端になります。実は,地域の大人がその練習台になるのがいいのですが,今ではご近所づきあいを嫌う生活が一般的になったために,その役を親が引き受けなくてはならない羽目に陥っています。親しき仲にも礼儀あり。そのしつけを疎かにしないようにしてください。



 子どものいじめによる自殺が減らないということから,厚労省では「SOSの出し方教育」を進めようとしています。親や先生にSOSを出して救われる子どももいますが,SOSを出せずに追い詰められていく子どももいます。親や先生という縦の関係の中では,相談することがしづらいのです。親でも先生でもない,それでいて信頼していい大人の人,そういう人を子どものそばに見つけてあげて,つないでやってください。

★落書き★

 長寿国日本の平均寿命は,男79歳,女86歳です。昭和22年までは,戦争のせいもあって,50歳を超えられませんでした。明治・大正は40歳代,もっと昔の平安貴族はというと,男35歳,女27歳だったということです。食事内容が貧しく栄養失調であり,不衛生で疫病が日常的に流行していたようです。もちろん平均寿命の話ですから,年寄りもいましたが,幼くて亡くなっていく子どももいたということです。


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