*** 子育ち12章 ***
 

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「第 68-13 章」


『子育ちは 立ち止まりつつ 迷いつつ』


■子育ち12改善■

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『子育ち第13改善』

【育てから育ちへ】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第68版では,いわゆる「子育て」から「子育ち」への改善について,お伝えしようと思っています。子どもを育てよう,育てなければと願うあまりに,子どもの育ちに水を差したり邪魔をしていることになっていることに気付いてほしいのです。子育てでのしつけのつもりで叩いてしまうと,子育ちを壊す虐待になるといったことが起こらないようにしたいと願っています。決して子育てがいけないということではなく,子育ちとの上手な連携を保っていただきたいのです。

《育てから育ちへ?》
 親は日常の暮らしの中で,子どもをどのように育てようとしているでしょうか? 時間がないから早くしなさい,と急き立ててしまいます。子どもはちょっと待ってよと言いたいのですが,そんなことが言える雰囲気ではありません。いつも慌てているので,ちゃんとできません。すると,どうしてちゃんとできないの,と叱られます。ちゃんとしたくても時間が足りないので,どうしようもありません。結局親が仕方ないと愚痴をこぼしながら,てきぱきとやってしまいます。自分でできるのに,やらせてもらえません。

 帰ってくるとお母さんがいません。お母さんって呼んでも返事がありません。どこかに出かけるとは聞いていません。家中を探してもいません。玄関に行ってお母さんの履き物を探すとありません。急に寂しくなってきましたが,どうしようもありません。そのまま座って待っています。しばらくしてお母さんが帰ってきました。どこに行っていたの,と言いながら走り寄ります。お母さんはもう帰っていたのと言いながら,さっさと家の中に上がっていきます。寂しかったという気持ちが置き去りにされてしまいました。

 お母さん,心って何? 唐突に聞かれて,お母さんは返事に困っています。ねえ,何なの? いきなり変なこと言わないの。心がどうかしたの,と逆に聞き返して窮地を逃れようとします。お母さんに向けて届けられた言葉を受け止めずにすっぽかしています。お母さんどうしたのだろう,と思います。言葉がすれ違うために,余計な思惑がわいてきて,分かり合えなくなっていきます。いけないこと言ったからかな,と心配になります。

 久しぶりにおじいちゃんおばあちゃんちを訪ね,夕方にお家に帰ってきました。リビングに座り込みながらお母さんがブツブツ言っています。おかあさんは人使いが荒いんだから,どうして私がしなければならないの。そういえば,お母さんは「お手伝いします」って言いながら,おばあちゃんと一緒に家事をしていたみたい。そのときは楽しそうにおばあちゃんとお話していたのに。お母さんは優しいおばあちゃんが嫌いなのかな?

 子どもはできないこと,分からないこと,嫌なことといった,いろんな壁にぶつかっています。親から突きつけられる壁もあります。それが育ちを促す壁であればいいのですが,時折育ちを逸らしたり邪魔したりする場合もあります。手がかからなくなってくると保護の手を引きあげますが,そのかわりに育てる関係が密になる必要があります。保護者から養育者へと親も育っていくことが期待されています。親自身の生きる力を丸ごと与えてください。



 「7つの望ましい態度」という提案があるようです。(1)新しく訪れる瞬間,瞬間において,自分自身に対して優しく穏やかに接すること。(2)自分の人生のすべての条件や状況の責任を完全にとること。(3)どのような結果をもたらそうとも,すべてにおいて正直であること。(4)あらゆる適切な方法で他者の助けとなること。(5)あなたが話すすべての言葉,行うすべての行為において,ゆるがず率直であること。(6)他者の能力や貢献を認めること。(7)寛容であり,感謝すること。

 今号で子育て羅針盤第68版を終わります。子育てから子育ちへという主題を述べてきましたが,子育ちは子どもに任せておけばいいというものではないことは明らかで,子育ちができる環境,家庭を適切な状況に維持しておくこと,すなわち親としての関わりが大切です。次号からは,第69版に進みます。子どもの姿を現す形容詞を手がかりに子育ちを見ていきたいと思います。

★落書き★

 以前にも書いていたと思いますが,再度の書き込みです。体温の熱源はどこにあるのでしょう? 人体は1日2700キロカロリーほどの熱を作り出します。その大半は筋肉の伸縮によって発生します。心臓や肺,その他の内臓の筋肉が休むことなく伸縮運動して熱を作り出しています。もちろん,食べ物を化学分解することで肝臓も大量の熱を作っています。それらの熱が血液によって全身に平等に運ばれて体温となっているのです。生きているから熱があるのです。


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