*** 子育ち12章 ***
 

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「第 72-05 章」


『子育ちは 経験知生む 言葉得て』


■子育ち12熟語■

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『子育ち第5熟語』

【格物致知?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第72版では,「子育ち」が獲得しなければならない必須の項目を,漢字表現に託してみます。同じことを違った表現をすると,視点が動くことによって,隠れていた面が明らかになります。乱暴な子は元気な子,内気な子は考え深い子,落ち着かない子は好奇心旺盛な子,と表現すると違って見えてきます。どこまで視点を動かすことができるか分かりませんが,挑戦することが大事です。新たな12の指標盤を楽しんでください。

《格物致知?》
 勉強は嫌だと子どもが言います。教室に閉じ込められて,さあ勉強しなさい。このように勉めて強いられるから嫌なのです。子どもはどうして?なぜ?と疑問を持つことがたくさんあります。問い詰められて,大人は降参します。どうしてイヌはイヌというの? セミはなぜ鳴くの? どうして学校に行かなければいけないの? 子どもは日々新しいことにぶつかります。生活のあれこれは習うより慣れろで素直に受け入れていきますが,ふっと疑問が浮かんでくることがあります。その疑問こそが学びの始まりなのです。

 経験知が生きる力を生み出します。経験を表現する言葉を母親の口まねで獲得します。言葉をつないで文章として語ることで,つながりによるイメージの豊かさに気付きます。やがて,経験のつながりの中に必然性があること,こうしてこうなったという因果関係を知り,経験した世界を道理という形で整理する方法を獲得します。順序立てた話すという力が身につきます。一つの経験による知識は,類推により,新たな経験を予知できるようになります。説明可能な知識となれば,世代間に伝達する学びになります。

 親として,子どもが格物致知できるようにするためには,どのように関わっていけばいいのでしょう。もう一人の子どもが自分の経験を表現する言葉を語って聞かせることです。花を見てワーッと思っているときに,「お花がきれいね」と表現してやりましょう。美しい言葉,やさしい言葉,正しい言葉,温かな言葉,言葉をつないで感動する文章をたくさん読みます。言葉をつないで事物の道理を表現できると,知識が整理されて,もう一人の子どもの生きる力を発揮する指令ネットワークが構築されます。



 ミヒャエル・エンデの「モモ」の中で,登場人物が言います。「時間を感じ取るために心というものがある。そして,もしその心が時間を感じ取らないようなときには,その時間はないも同じだ」。経験も言葉にして意識できないと,消えてしまいます。経験を動かしていく時間,子どもが育っている時間を,子どもの時間にせずに,大人になる準備時間にすり替えてはいけません。大人は今の時間をやがて死ぬための準備として生きていますか? 生きるとは今しかないのです。子どもの経験こそが学びです。

★落書き★

 「○○は済んだの?」「しようと思っていたところ!」「嘘言わないで!」。言い訳を見破られて,図星の嘘。この図星とは,矢の的の中心に黒点が描かれていて,これを図星と言います。射手は図星を狙って矢を放つため,そこが狙い所,急所の意味となりました。さらには,人の思惑が想像していたとおりであることを意味するようになりました。子どもの考えていることなどお見通しと親は思っていますが,的外れになるのもすぐと,用心しておいてください。自分の子ども時代を思い出しましょう。


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