*** 子育ち12章 ***
 

Welcome to Bear's Home-Page
「第 78-12 章」


『子育ちは 知を徳にして 体にする』


■子育ち12心情■

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
『子育ち第12心情』

【早いつもりで遅いのが成長 遅いつもりで早いのが退行!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視です。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を意識します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の針路構成となります。
 この第78版では,77版に重ねて,子どもたちが育ちに向けているはずの心づもりに寄り添って考えます。育ちたいという健気な心積もりを12の指標になぞらえてみることで,子どもたちの育ちの現実に寄り添います。それによって,子育ての願いも目の前の子どもにきちんと重なっていくはずです。子どもが向かっている心づもりを理解できる新たな12の指標盤を楽しんでください。

《早いつもりで遅いのが成長!》
 視聴覚機器の発達した情報社会の申し子である子どもたちは,たくさんの言葉を知っています。一人前のことを言って,驚かされます。口ばっかり小生意気に見えて,行動が伴わないのでしつけが施されます。知っているだけではなく,振る舞いとして筋が通っている徳が必要です。形ができても,身体に馴染んで,失敗を乗り越えて応用できる能力にまで育っていってこそ生きる力になります。知徳体という完結にまでは,ゆったりと育っていくプロセスがあります。知識獲得だけで成長は終わらないのです。

《遅いつもりで早いのが退行!》
 もう一人の子どもは友だちがしていることを見知ると,自分にもできると思い込みます。なんとか同じようにできないかとあがいていると,やがてできるようになります。ところが年長者のまねをしてもできないことがたくさんあります。できない自分を「どうせ」と諦めて自分を見るようになります。努力が嫌で放り出したり,サボったり,手抜きをしたり,飽きてしまったり,忘れたり,育ちの歩みをしなくなると,そこまでの育ちをご破算にすることもあり得ます。一日の練習の休みで三日戻るということもあるようです。

《親としての関わりは?》
 子どもが「成長を目指し退行に引き込まれない」という心情を実現できるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。子どもの育ちはもう一人の自分がしたいことを見つけて,自分にしてみようと働きかけて始まります。すぐにはできませんが,まねするという学びと挑戦するという努力が合体して,できたというステップを刻んでいきます。親からは,して見せてとまねする手本を示し,諦める前に少しだけ続けようとガンバレの応援をしてやることです。そうすれば,できない子どもを叱らなくて済みます。


 子どもが賢くなる一つの方法は,分けるという見方をすることです。ある行動が得か損かという分け方ではありません。自分の時間を分けると計画表ができます。身の周りのモノを分けると整理整頓ができます。スイカは野菜か果物かと分けると,スイカのことが分かります。分かるためには分けることができるという考察過程が必須なのです。分けるという行為は,個々には違っているモノに同じところを見つけ出すことです。スイカは,トマトと同じか,リンゴと同じか,どちらの仲間でしょうか?

★落書き★

 江戸時代より,越前国のウニ,三河国のコノワタとともに,肥前国のからすみは日本の三大珍味と呼ばれています。からすみは塩漬けにしたボラの卵巣を材料にした食品で,その名前は色と形に由来します。中国から渡来していた墨を「唐墨」と呼んでいて,その色形に似ているところから,同じ名で呼ぶようになりました。「ボラの卵巣」というそのままの呼び名より,ちょっと高級なモノにあやかった名前の方が売れるという願いの名付けだったのかもしれません。名付けには願いが込められるものですから。


「子育ち12章」:インデックスに進みます
「子育ち12章」:第78-11章に戻ります
「子育ち12章」:第78-13章に進みます