*** 子育ち12章 ***
 

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「第 79-07 章」


『子育ちは 持てる能力 使ってこそ』


■子育ち12覚悟■

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『子育ち第7覚悟』

【能力を鍛えて実行しよう!】

《まえがき》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な針路構成となります。
 この第79版では,子どもたちが育ちに向っていく上で持ってほしい覚悟について考えてみます。育ちたいという心積もりをどのような形で実践していけばいいのか,12の指標に整理をすることで,子どもたちの育ちの全体像を描いていきます。心豊かな子に育ってという親の願いに対して,子どもは自分はどうすればいいのと問いかけてきます。それなりに指導や助言をすることになりますが,それだけで十分か,他に言っておくことはなかったかと迷うことがあります。全体を見渡す指標として参考にしてください。

《能力を鍛える!》
 育ちとは,生まれた身体の機能を稼働させることです。歩くことは動物的な行動機能であり,話すことは環境・国・親の言葉を聞き覚える脳機能です。人の振り見て我が振り直せ,といわれます。人がしているのを見て,自分も同じようにしてみようと思います。でも,できません。どうすれば?ともう一人の自分が考えます。生身の人間の能力はスイッチ一つで発揮できるものではなく,練習や鍛錬といった事前の育成が必至です。やがてできるようになるための鍛え,0からの積み上げという成長過程が人の育ちなのです。

《能力を実行する!》
 社会で生きるためには社会を支える能力を身につけることが必要です。単純な機能は機械に任せていきますが,人間社会では人間の能力をそれぞれが発揮することが不可欠です。能力とは何事かができるということです。自分のためにできるということだけではなく,誰かのためにできること,つまり社会的な場面で使える能力の獲得が求められています。人が生きていく能力は,人との関わり合いの中での共同活動として実行できる能力です。共に使おうとするから,能力の使い道が洗練され上達をしていきます。

《親としての関わりは?》
 子どもが「能力を鍛えて実行しよう」という覚悟を持ち続けられるためには,親としてどのように関わっていけばいいのでしょう。能力は完結できません。一人で何もかもできるということは不可能です。能力をつないでいくことでより効果的な能力にしていくことができます。暮らしの中で,子どもにできることを親のできることと結びつけると,作業が楽になります。能力の素敵な発揮が体験できます。一人で抱え込むときつい活動でも,能力を接続することで,より大きな活動ができる能力の生み出し方を学びます。


 誰にも当てにされていないと感じると,生きる気力が萎えてしまいます。誰かに頼りにされていると思うことができたら,頑張って能力を発揮しようとします。疲れることなど気にせずに,頑張ることができます。頼りにされるためには,丸ごと引き受けることではなく,共に頼り合うようにします。共に能力を発揮するという形を保つことで,依存するという想いを感じさせなくて済みます。生きるとは支え合う形が基本です。人という字は互いに支え合っている形をしていますね,という説明を聞かれたことがあるでしょう。

★落書き★

 遊びに行く子どもに,おさらいは済んだの?,と声かけをします。溝を浚うと言うときの浚うの連用形がサライです。悪いもの・正常でないものをすっかり取り去って,正しいもの・良いものを残していくことです。オという接頭語を付けてオサライは,寺子屋時代から使われた言葉です。子どもの能力の獲得は,拙い部分を少しだけ良いものに上書きをしていき続けることで可能になります。日日の繰り返しという手続きが基本になります。この次すればいい,という先送りは一次停止ではなく,拙い能力の定着になります。


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