*** 子育ち12章 ***
 

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「第 81-09 章」


『子育ちは 今を大事に 待つことも』


■子育て12心戒■

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『子育て第9心戒』

【子どもの興味を逸らさないこと!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

《好機を待つ余裕!》
 3歳くらいの女の子が,ママに叱られています。ママはどうやら本気です。「きちんとママにお話できるようになるまで,トイレに入ってなさい!」と言われて,トイレに押しこまれてしまいました。数分の後,トイレから出てきました。「きちんとママに話せる?」と聞かれた女の子は大きくうなずき,「あのね,あるところに蛙の親子がいてね・・・」。ママはビックリしましたが,やがて気がつきました。女の子は必死になってママにしてあげる「お話」を考えてきたのです。

 賢明なママはもう事態をすっかりお分かりですね。ママはどうしてこんなオイタをしたのか説明しなさいと言うつもりでした。しかし,説明という言葉は幼子には通じません。そこで「お話をしなさい」と分かるように言い換えました。ところが,幼子の知っている「お話をする」という言葉は,文字通りにお話をすることでしかありません。伝えたつもりが伝わっていなかったのです。子どもの関心事は,オイタの言い訳などではなくて,ママにお話ができるうれしさなのです。

 お父さんが散髪を終えて家に帰っってきました。3歳の息子がパパの頭を見て「お父さん,散髪してきたん? 飴ちゃんもらえた?」と聞いてきました。もらえなかったと答えると,「お父さん,あかんたれやなぁ…」と言われてしまいました。息子が行っている散髪屋は,かしこく散髪ができたら飴ちゃんをくれるみたいです。お父さんはちょっぴり残念な気分にさせられていました。あなただったら,そんな息子の関心にどんな言葉をつないでやりますか?

 あめ玉に釣られちゃって,お前さんはしっかり子どもなんだよ。でも,笑えませんね。ママだってポイントが付くからってご贔屓のお店がありますから。モノは違っていてもご褒美に釣られるのは,大人も子どもも大して変わりありません。チリも積もればの言葉通りに,おやつ代が節約できて結構です。せこいと思うかしっかりしていると見るか,どちらでも構わなければ,身につまされるときは苦笑いをしておくことです。お父さんは飴ちゃんなんか欲しくはない,と威張っても詮無いことです。

 ママが1歳半の息子を連れて外に出ていたとき,近所の人にキャンディをもらいました。ママはしつけの機会と思って「こういう時は何て言うの?」と聞きました。息子は手を差し出して「もう1個!」。「!!」。ママはそんなこと教えた覚えはありません,と呆れるやら恥ずかしいやら,ひどい目に遭わされました。自分の思いに正直な子ですが,お付き合いという面では今後のしつけ甲斐がありますね。当分の間は,笑って誤魔化すしかありません。



 小学校低学年の子どもたちが公園でカードゲームをしています。一人の子が相手のモンスターを打ち負かそうと,自分のモンスターの持ち技を大声で叫んでいます。「行けっ! 必殺ゲンバク攻撃!」。自分で考えた技の名前を口にしたようです。学校の平和授業で原子爆弾が多くの人の命を奪った爆弾だと学びました。使ってはいけない物と話したおじさんに,「何で? 敵を全滅できるんやろ。勝った方がいいじゃん」と返されたそうです。どうしましょう?

★落書き★

 子どもにはたくさんのことを教えなければなりません。おしえるは,「ヲ(愛)しむ+フ」で,慈しみ,大切に育てる意という説が一つ。「押さえる」の音韻変化という説が二つ。他人の悪いところをオサエルのが教えるとなります。方言でも,教えることをオサエル,オサユル,オセルなどがあります。ここが指導のオサエどころとも言います。かわいがることより,押さえて正していくが,教えることです。漢字の教は,学舎の中の子どもを叩いて礼儀作法を教える意味だそうです。


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