*** 子育ち12章 ***
 

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「第 81-13 章」


『子育ちは 心が通う 温もりで』


■子育て12心戒■

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『子育て第13心戒』

【子どもの心を無視しないこと!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問題視座です。また,2つの領域とは,自分の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が羅針盤の基本的な考察の構成となります。
 この第81版では,子どもたちの育てに関わっている親御さんが心得ておいた方がよい戒めを「心戒」として考えてみることにします。何となくなるように育てればいいというのではなく,あるべき育ちに沿っていくことができるように,親は子どもの育ちを見守りつつ支えてやらなければなりません。心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが時として過剰に子どもに向けられることがあります。子どもは今の自分ではどうすればいいのと問いかけています。子どもの育ちのペースに寄り添った親の支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,子どもの育ちを見極めて,それなりに指導や助言をすることになります。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

《心を抱きしめる余裕!》
 病院でのひとこまです。ある日,通院のために2人の孫を連れてきたおばあちゃんが,看護婦さんに話しかけました。「おかげさまで下の子(弟)の病気が治ったのはいいんだけど,兄ちゃんの薬を飲みたがって困るんだ。この子は薬大好きだから…」。看護婦さんが何と返事をしたらいいのかわからずにいると,そのおばあちゃんが続けて言いました。「あんまり騒ぐもんだから,"きなこ"出してやったら喜んで飲んでるわい」。子育てのベテランはさすがですね。

 子どもには薬が何かということは理解できません。なんだか分からないけど,とってもすごい魔法の食べ物とでも思っています。だって,お店にはない特別なもので,とても大事そうに扱われ,誰でも口にするものでもなく,選ばれた人だけがちょっとずつしか飲食できないのですから。子どもにとって,一口にも満たない少量しか口にできないものという限定があるからこそ,欲しいという気になります。これぽっちしかないとなると,欲しくなるのは人情ですね。

 ある日たまたま,お父さんが小学四年生になる娘さんの作文を見ました。「母さんや,お父さんがいてくれるから」とか,「母さんや,お父さんが働いてくれるから」などと書いてあります。よく考えると,すべての箇所でお母さんが先になっています。お父さんは少し気になったけれども,何も言わずいました。ところがその後,とうとう「お母さんらが働いているから色んな物買える」って,小さい弟に娘さんが説明しているのを耳にしてしまいました。お父さんという言葉は出てこず,「ら」で片づけられたのです。お父さんはさみしい!

 お父さんは何処にいるんでしょう? いてもいなくてもいい人ならまだしも,いない方がいい人に落ちぶれたらたいへんです。お父さんという言葉が聞こえなくなるにつれて,お父さんの存在感が薄れていきます。言葉は気持ちを表すだけではなく,気持ちを産み出します。家庭からお父さんを追い出すのは簡単です。お父さんという言葉を追放すればいいのです。そうならないためには,お父さんがそこにいなくても,お父さんという言葉を口に出すようにすればいいのです。今頃,お父さんはどうしているかな?

 子どもは今の時代心情を取り入れて生きています。親世代が育った時代とは大きく様変わりしています。自分の子ども時代の感覚は,目の前の我が子のものとはかなりずれがあります。考え方や価値観に彩られた心情も,すれ違いが感じられるはずです。子どもを取り巻く環境の有り様によって、子どもの心は色合いを変えていきます。親として戸惑うこともあるでしょうが,子どもの心をそっと温かい手のひらの上で慈しんで下さい。



 脳を元気にして心身の健康を保たなければ育ちは進みません。子どもたちに太陽の光を浴びさせ,運動をすることがよいそうです。自然に接することに気をつけることです。スマホなどのあふれるディジタル情報の恩恵に浸るだけではなく,身近な動植物に目を向けて,映像ではない自分の目で音や臭いなど五感で直接に情報を取り入れることで,脳は活性化することでしょう。自分流に整理しなければならないからです。

★落書き★

 眠っているとき,いろいろな物事を現実のように見聞きしたり感じたりすることを夢といいます。実現できない儚いことややりたい希望などを表すこともあります。語源は「イ(寝)+メ(目)」が時代を経てユメになったものです。「寝た目に映るもの」が夢というのが語源です。中国の語源は「暗い意味の冠に夜(夕)を置いた形の文字が夢の字で,夜(夕)になりぼんやりして見えなくなるという意味です。眠っている間のぼんやりした心的現象が夢です。


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