*** 子育ち12章 ***
 

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「第 83-11 章」


『子育ちは ありたい自分 追いかけて』


■子育て12心権■

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『子育て第11心権』

【知恵を学ぶ心権!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第83版では,子どもたちの心の育ちがどのようなものかを,総括しておきます。子どもは「育つ権利」があるとされています。それは生きる者としての身体的な育ちが必要であると同時に,人間としての心情的な育ちが十分に備わっていなければなりません。食べさせないといった身体的虐待は育つ権利の侵害であることは自明のことですが,無視するという心情的虐待が育つ権利の侵害になると気づかれ難い面があります。
 人として心豊かな子に育ってほしいという親の熱い願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるために,親は自分の子育てを検証することが必要です。子どもの育ちを見極めて,今すべきことか,相応しい程度か,順序に沿っているか,育つ権利に相応しい指導や助言をしていただくことを願います。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標を参考にしてください。

 《片寄らないこと》
 子どもたちは,情報過多の中で,知っているというだけの情報処理に止まり,情報の咀嚼が苦手です。話していることが受け売りに過ぎずに,自分の言葉になっていません。例えば,学生の卒業論文が人の論述をコピーアンドペーストで継ぎ接ぎしているものであったりするのも,消化する力の不足です。情報をよく咀嚼しなくなったのは,面白い情報だけに片寄っているからです。面白かったという浅い感性のところで終わっています。大事な情報は面白くないものですが,よくよく咀嚼すればじわっと面白みが出てくるものです。そのときに自分の感性と結びついた情報になります。

 《直面させる》
 子どもは遊びでも勉強でも,どうしたらいいのか分からない局面に出会います。知〜らないと,逃げ出したくなります。逃げ癖を付けると,知恵も子どもから逃げていきます。ちょっと踏みとどまって,どうしようと考える時間を持たせましょう。考えることは,どこまで順調に進んだかという見極めです。うまくいかないところが,知恵の在処なのです。つまずくところにこそ,知恵が埋まっていると考えて下さい。失敗しなくなることが育ちですが,失敗するポイントは育ちの階段の踊り場のようなものです。足踏みこそが必要なのです。

 《真似させる》
 振り返ってみて,さっきはこうしたが,別のやり方もあると気付くことが大切です。そのためには,同じことをしている人のやり方をよく観察しておかなければなりません。自分はどこで違っていたか,それが分かれば,真似をしてみます。きっとうまくクリアできるでしょう。自分がどうしたかという振り返りができないと,何を真似すればいいのかということが分かりません。暮らしの中で生きていく知恵については,親のするようにするという育ちのパターンが語られますが,情報源としての親を真似るという知恵の学びを表しています。

 《堅実性が育つ》
 見よう見まねで育つには,人ができるなら自分にもできるという自分への信頼が必要なことはいうまでもありません。逆に言えば,どうしてよいか分からなくなっても,真似をしていけば何とかなるという知恵の学び方を体験していくことで,できる自分に気付くことができます。こつこつと学びを続けることの有効さに目覚めたら,どのような状況においても,堅実に向き合うことが大事なことであると納得できます。育ちの過程を通して,生き方の姿勢も獲得していくことになります。



 人には思う力があるために,こうありたい,こうしたいというイメージを描きます。そのイメージのままの自分であればいいのですが,時には違っていることもあります。そこで落ち込んで逃げてしまうと,育ちの機会を失います。しまった,違った,その状態を受け入れる我慢の時を過ごして,どうにかなるかもしれないと期待できる気持ちに切り替えていくようにします。可能性を信じる力が生きる力です。見守ってやりましょう。

★落書き★

 トラは黒の縞模様が特徴です。ところで,あの縞は,タテ縦縞,それともヨコ縞でしょうか? 答はヨコ縞です。動物の縞模様は,正中線に対して直角のものをヨコ縞,平行なものをタテ縞と定義します。正中線とは,脊椎動物の場合,おおむね背骨のことです。トラの背骨とほぼ直交しているトラの縞模様はヨコ縞になるのです。このヨコ縞は,トラが草の茂み隠れて獲物を待ち伏せするとき,周囲の草と馴染んで見つかりにくくしてくれます。


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