*** 子育ち12章 ***
 

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「第 85-13 章」


『子育ちは 生きる喜び 力にし』


■子育ち12親心■

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『子育ち第13親心』

【生きる力を伝える親心!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第85版では,子どもたちの育ちに寄り添う親がどのような心であればいいのか,確認をするポイントを総括します。子どもの育ちは周りからの多様な支援と結びついて一体化する設計図とも言える様式があります。順序が違ったり,逆につながったりすると,本来の属性が機能せずに,育ちに不都合が織り込まれてしまうこともあります。
 人間として心豊かに育ってほしいという親の願いが,子どもの育ちに寄り添った支援になるためには,日々の子育てを確認することが必至です。子育ての全体を見渡したポイントになる12の指標毎に親からの支援のつながりを確認してみましょう。

○子どもは親の言うようには育たず,親がするように育つといわれます。普段の暮らしの中で,子どもの話が要領を得ないのを心配して,言葉を遮って,親が代わりに話してしまうことがあります。親がすることを子どもは学びます。美容院でシャンプーしている母親を見ていた3歳の娘。「頭マッサージしますね」と言われると,すかさず「ママは足がこってるんです」と言ってくれちゃいました。母親は「はずかしー」と思いましたが,それが自分の育ての結果だとは気がついていません。

○攻撃は最大の防御と言われます。何かうまくいかないことがあると,「もうっ!!」とものに八つ当たりすることがあります。子どもが失敗すると,そばで見ていた親が「へただなあ,もうっ!!」と嘆いてみせます。なにやら不快感があるとき,「もうっ!!」と吐き出せば,少しはすっきりします。子どもも見習います。誰もが通る道の予防接種。母親はちょっぴり心配で「また泣くかな!?」という予想に反して,「いたいなあ、もうっ!!」とお医者様をしかりつけていました。

○あれこれ物事を考えていても,限度があります。そこまでは考えていなかったという想定外のことがあるものです。考えていないことは,どうでもいいことだからです。夕食の支度で忙しくしているときに,子どもが「昨日の本は?」と尋ねてくると,「後で!」といい加減な返事をしています。子どもは見習います。2歳の娘と旅行した家族の話です。ホテルの部屋はツインでベッドが2つありました。娘が「××ちゃん(自分)はこっち(窓際のベッド)で,ママはこっち(入り口側)」というので,母親が「パパはどっちで寝るの?」と聞くと「起っき!」。ベッドが足りないので,起きているしかないのです。想定外?

 親は子どもに対して完全無欠な姿を見せようとします。幼い子どもには通用しますが,小学生くらいになると強がりは見透かされます。無理をしないで,がんばっている姿を見せるようにした方が,お互いに楽です。ところで,いけないのは,親が自分のしている苦労を子どもにはさせないようにすることです。親が今の自分に自信を持ち満足していれば,子どもにも自分の経験を伝えようと思うはずです。子どもを育てるためには,親は苦労して今の自分があること,自尊感情を持つことが必要なのです。

 生きようと願って何とか生き延びていく,それが生きる力になります。この生きる力が必要ですが,それだけでは生きていけません。生かしてもらうという助けがあって,人は生きることができます。私が生きるのではなく,私たちが生きるという社会の中での生きる力をお互いに発揮するように目標を共有すべきです。人を蹴落としてもという浅ましさに彩られた生きる力は,不幸をもたらします。真っ当な生き方ができるような力を,子どもに残してやっているか,大人は自問してみるべきです。

 子どもは環境に適応しようとして育ちをします。最も重要な環境,それは家庭です。それぞれの家庭の暮らしぶり,それに適応するように子どもは育っていきます。生きる力のスタイルは家庭毎に違っているので,この親にしてこの子ありということになります。生きる力の根っこの部分は家庭で培われます。教育で表立った部分を整えることはできますが,土台までは行き届きかねます。親自身の人間性が関わるということになるのです。子どもにとって,親を真似することが学びの本能です。

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※子どもの心に安らぎと高揚を伝えられるように。
 親自身の人間性,精神性の深さが求められています。



 第85版の子育て羅針盤は,今号で完結です。次号からは,第86版に改まります。子どもの育ちは,伸びていってほしい正の向きと伸びてはいけない負の向きがあります。この正負の二つをセットにして12条として考えていきます。3か月の間,楽しんで読んでいただければ幸いです。

★落書き★

 子どもが飛び出して交通事故に遭うのは、大人に比べて視野が狭いからということもあります。大人では,両目の視野範囲は200度前後あります。真っ直ぐ前を向いていても、真横だけでなく、やや斜め後ろまで見ることができます。ところが,子どもの視野範囲は大人の80%しかありません。そのために,横から近づいてくる車に気づかず,車の前に飛び出して,事故に遭うケースが多くなります。因みに,欧米人は日本人より幾分視野が狭いそうです。原因は,高い鼻と彫りの深い顔立ちが視角を遮るためです。


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