*** 子育ち12章 ***
 

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「第 87-03 章」


『子育ちは ともに談じて 頼り合い』


■子育ち12基礎力■

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『子育ち第3基礎力』

【相談力を身につけよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第87版では,子どもが育ちによって身につけていく能力の全体を考えていきます。人の育ちは複合的な能力を過不足無く獲得しなければなりません。もちろん特別な能力を伸ばすことも大事ですが,人間としての基礎的な能力が生きていく基盤になります。育ちのペースは子どもそれぞれに違いますが,成人までにはすべての力をそれなりに獲得できるように,側にいる大人がちゃんと導いておくようにしましょう。

●《傾聴》お母さんあのね。そういって子どもが話しかけてきます。な〜に。あのね・・・。どうしたの,さっさと言いなさい。話が出そびれてしまいます。言葉は待ってもらっていないと、出てきづらいものです。話を聞くときには,話をする方のペースに合わせることが基本です。傾聴ということが言われますが,話し手のペース優先で始まります。話を気持ちよく聞いてもらえるとは,自分のペースで話させてくれることです。その経験がある子どもは,確実な言葉の交わし方を習得できます。

●《共感》他愛のないおしゃべりならいざ知らず,中味のある話し合いの場合には,共感できる言葉を見つけなければなりません。言葉がすれ違っていては,話が通じません。物事に対して共通理解ができたところで,話は次に展開していきます。積み上げていくと,やがて意見の違いが現れてきます。そこで,根気よく細かなすり合わせをすれば,お互いに受け入れることのできる結論が得られます。話し合いは共感できる結論を出すためにするものです。嫌だから物別れ,そうなるようなら,相談にはなりません。

●《納得》皆で相談をしているときに,正解にこだわると,まとまらなくなります。正解は前提の選び方で変わるので,一つではありません。議論百出になります。別の道を辿る手もあります。それぞれの得を納めるように配慮します。得を納める,それが納得です。損の計上はしないでおきます。さらに少し長いスパンで考えます。今回は得が少ないが,次回には埋め合わせるといったことです。きょうだいで上の子が今回は譲って,次回は埋め合わせるという得勘定をするのです。相談がまとまります。

●《厳守》相談によって皆が了解した結論は,厳守されなければなりません。日常的な場面では,約束を守るということであり,責任を果たすということです。トラブルになりやすいのは,それぞれの責任の持ち分が曖昧な場合です。それは聞いていないとか,それは了解していないとか,詰めが十分でないと,隙間ができます。それを避けるには,つながりの部分を少しだけ余分に対処することです。手伝いでいえば,次の作業がしやすいように準備して終わるということです。何事も,すればいいというものではありません。

●《信頼》無茶なことは言わずに納得し合い,決めたことは厳守する,そういう人とはいろんなことで相談したくなり,信頼関係が生まれます。信頼できる人を持つことは,大きな財産になります。信頼できる人とつながりを持ちたいなら,信頼してもらえる人になることです。相談してもらえるようになったとき,信頼の輪に入ることができます。子どもに小さなことを相談してみませんか。相談を持ちかけられるということは,信頼されているというメッセージですから,子どもは自尊心を育まれます。



 人のつながりは信頼という鎖です。一度だけの裏切りが,鎖の切れになります。誰からも相手にされないということは,居場所の喪失です。シカトがいじめになるのは,居場所を奪うからです。つながりは,つながっている必要があると継続します。一緒に暮らし共同活動をするということが大事になります。その一つの事例が相談することであり,次回に考える委任することです。ところで,子どもにとっては,遊びという活動も大切な共同活動であることを忘れないで下さい。

★落書き★

 平安時代,高貴な人の奥方の住む部屋は,寝殿造りの建物の北の方角と決まっていました。そのため,「北の方」と呼ばれていましたが,「方」だけを取って「おかたさま」という敬称になりました。時代を経る間に「おかあさんに」に変わってきました。広く使われるようになったのは,明治時代後半に尋常小学校読本で「オカアサン,オハヨウゴザイマス」と教え始めてからのことだそうです。母ではなく奥方のことだったのですね。


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