*** 子育ち12章 ***
 

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「第 90-10 章」


『子育ちは してみて分かる 道進み』


■子育ち12課題■

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『子育ち第10課題』

【社会的に進展しよう!】

《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第90版では,育ちの課題について述べてみるつもりです。この羅針盤で考えている「私の育ち」と「私たちの育ち」に対応して,もう一人の自分の育ちを考えて「主体的」という言葉を,また人は社会生活が必至なので,自分は他者と対等な関係を持つことができるように育つと考えて,「社会的」という言葉を冠します。

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《進展》
 山にきつい思いをしてまで登るのはなぜ? そこに山が在るから。マロリーという登山家が語ったとされる言葉です。山がなければ,登るということはあり得ません。子どもの育ちも同じです。育ちの目標がなければ,育とうとは思わないでしょう。育ちの目標,それは周りにいる年上の人々です。兄姉から親や祖父母を含めた幅広い世代の目標です。大人の苦労だけを見せられると,大人になりたくないと拒みたくなるでしょう。自分がどのように育っていきたいか,育ちという進路を見せてやることが,子育ての大事な役割です。

○お子さんは,将来の見通しは明るいと考えていますか?

 学校に行けば友達に会える。先に楽しいことが待っているから,授業という好きではないことがあっても,出掛けていくことができます。もちろん,自覚はしていないでしょうが,授業でそれなりの力がついていきます。いじめの中に友達がいないという目に遭わせることがありますが,先を暗くするという嫌がらせです。お先真っ暗という状況では,育つどころか生きていくこともつらくなります。先は明るいと考えるようにすることは,育っていくことを楽しみとする以上に大事なことなのです。

○お子さんは,困ったとき,考えるだけ考えたら悩まないようにしていますか?

 どうなるかを考えるのではなく,どうしようかということを考えることが,考える力の正しい使い方です。どうしようかとは,自分にできることを考えています。ところが,どうなるかとは,自分の力ではどうにもできないことまで考えてしまい,けりがつかなくなります。自分にできることをするしかないという開き直りが,物事を進展させていきます。後のことは後でまた考えればいいとして,今できることに集中することです。考えてもどうしようもないことに捕らわれるから悩むことになります。

○お子さんは,何でもやっているうちに先が見えてくると思っていますか?

 今できることをするしかないという,よい意味でのあきらめが大事です。そのあきらめを支えるために,先はなんとかなるだろうという明るい見通しを持つことが必要になります。始める前にその後のあらゆる局面を考えることは不可能ですし,無駄なことです。先ずは,ことを進めていきます。その途上で出会う課題に対応していくうちに,先が見えてくるはずです。麓から山に登っていくにつれて,見晴らしがよくなってくるようなものです。やってみなければ分からないという知恵は,社会的な活動を進める経験から得られます。



 参観では,子どもの背中に目を注いで,疲れておられませんか? 学校での姿は,家庭での姿とは違うはずです。「帰ってきたら,何とか言わなければ」などと思わないでほしいですね。参観は,家庭と学校で違う子どもの姿を観察することではありません。子どもたちの姿を観察して,子どもを見る目をリフレッシュする機会です。下級生の姿から我が子の成長が見えてきます。上級生の姿から,我が子の成長の目標が見えてきます。子どもたちの中の我が子を観察するようにして下さい。

★落書き★

 現場などに「安全第一」の標識があります。1900年代初頭にアメリカに生まれた言葉です。当時はより多くのものを生産することがされていて,品質や安全はまったく考慮されていませんでした。製鉄会社の社長が異議を唱え安全第一を考えるべきと改革し,労働事故が激減し品質が向上し生産の増加につながりました。この言葉の続きは「品質第二,生産第三」でした。人が大事だから良いモノが生まれるのです。

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