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「第 97-03 章」 |
『子育ちは つながる友と 共育ち』
■子育ち12鍵語■
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『子育ち第3鍵語』
【ヨコ社会】
《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の論点が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第97版でも,これまでの流れに沿って,子ども自身や親が育ちの確認をしていくときに,思考を開く鍵となる語を使って育ちの状況を展望していきます。今現在それぞれの育ちの度合いに違いがあってもそれは個性になり,達成度の評価ができるなら,幸せに育っていると考えることができます。子どもの育ちは見えにくいものですが,羅針盤としての全方位を見届けることができることを再確認していただけたらと思っています。
《ヨコ関係とは?》
愛されていないと不安になる,同意なさいますか? あなたと一緒にいたい,そういう人がおられますか? この人と共に苦労がしたい,していますか? おはようございます,あいさつを交わしていますか? メールなど送る,すぐに返事がありますか? 家に一人,テレビをつけていますか? 誰もいなければ,せめて人の声に包まれていたい,そう思いませんか? 人恋しいのは,大人だけではなく,子どもも同じです。あなたがいてくれてうれしい,そう親が言ってくれたら・・・?
もし,あいさつしても声が返ってこなければ,無視された! とても不安になりますね。学校や地域での友達関係が,子どもの悩みを生み出すことがあります。昨日まで仲良く付き合っていた友達が,今日はよそよそしく,避けようとしています。自分が何かいけないことをしたのかと悩み,拒否された不安に追い込まれていきます。友達はその時々の関心が同じであるということによって選ばれます。嫌いになったわけではなく,相手の関心が勝手に変わっただけです。それでも,同じ友達というヨコ関係が1つ消滅します。
学校の友達関係は,同年齢のヨコ関係です。そのままに大人になっても受け継がれ,同郷人,同窓生,同級生,同世代,同時代,同じという割り符を持っている者同士がつながっていきます。同じ趣味,同じファン,何かが同じであれば,私たちという仲間意識が芽生えて,人はつながっていきます。仲間の一人である,そこに人は居場所を見つけます。誰かとつながっているから,人は安心します。同じ家の家族の一員である,同じクラスの一員である,横並びに手をつなぐ関係,たくさんのヨコ関係を持たせてください。
人の関係はヨコ関係だけではありません。さらに,ヨコ関係だけでは人の育ちは進みません。ヨコ関係の中に安心できる居場所を持っていても,それだけでは安住するに止まります。人は成長という変化をするために,タテ関係に依拠します。最も分かりやすい例は,先に生まれた人,先生というタテ関係を通して学びをします。生きていく営みのすべてを受け継ぎ,発展させていくことが,育ちです。豊かなタテ関係に組み込んでやりましょう。
★落書き★
テニスの第1打をサービスと言います。相手が打てないようないじわるな玉を打ちますが,奉仕の意味があるサービスというのはおかしいですね。テニスの原型のジュ・ド・ボームというゲームはフランス貴族が玉を打ち合う遊びで,ラリーが続くことが大事でした。その第1打は召使いが「では旦那様。まいります」と打ちやすい玉をコートに投げ込むことになっていて,召使いの奉仕なのフランス語でセルビスと言っていました。イギリスでテニスにしてルールを変えたときに,選手が第1打を打つことにしましたが,呼び方は残したのです。
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