*****《団体・グループの運営の窓》*****

【指導者の忘れもの】

 [7]手みやげを忘れるな!

 「役に立つ情報を流していますか?」
 指導者は会議や研修などに出席する機会が多くなります。独自の広報を発行している場合には,出席報告をする責任があります。その報告を読みたいものにするコツがあります。普通は指導者が参加した経過や様子,感想,抱負を述べて代表者として職務を全うしたといった内容です。しかし読者はそれを読んでも「そうですか」と思うだけです。そうならないためには,知って得したという情報を教えることです。
 指導者はまず自分が感動や興味をそそられるような情報を見つけようと努めなければなりません。本番からに限らず立ち話やふと目に付いたことでも何でもいいのです。それが一つ見つかったら,指導者自らの感動ではなくて,感動した元の情報をそのまま伝えるのです。それが報告するということです。指導者と同じ感動を味わえるなら,読者は読みたいと思うはずです。
 あるいは配布された資料から,知っておいたほうがいい情報を拾い出して紹介してもいいでしょう。指導者は自分が得た情報を厳選して伝えてこそ,任務が果たせるのです。

   「挨拶の工夫をしていますか?」
 指導者になってまず直面するのが挨拶です。指導者に推薦されて辞退する人がまず「挨拶ができない」という理由を挙げるのも,主要な役割だからです。挨拶は定番を覚えておけばそれなりの形は整います。まず「時候」からはじめ,そのときの「活動報告,状勢,活動計画,要請など」,締めくくりに「お礼」の3点セットです。最も気をつけることは,中間の部分です。それも何処で切り上げるかという点です。これを決めておかないと,挨拶が終わらなくなります。最も無難な方法は,言いたいことを一息に言える長さの文章にまとめておくことです。余計な説明は極力省きます。挨拶は簡略が一番です。
 挨拶にはとっておきのコツがあります。まず挨拶は誰も期待して聞いていないということです。聞くそばから忘れます。試しに人の挨拶を聞いた後,すぐ思い出してみてください。ほとんど思い出せません。挨拶する側にとっては,そこがつけめです。3点セットは3息で言える3文章にまとめておきます。それで挨拶は完成しますから,あと数分の余裕があります。そこに小さなおもしろくて為になりそうなネタ話を入れ込みます。全くその場に関係ない話でも構いません。意外性と小さな学びによって,きっと印象に残るはずです。遊び心が大切です。

 指導者はいろんな形で情報を発信する立場にいます。その役割を果たすためには,みんなが聞いてよかったという視点で情報を収集することです。地道に心がけておけばきっと役に立ちます。話をするのが楽しみになり,みんなは聞くのが楽しみになるはずです。