HOME                                       <前のページ >   


 

部屋から見る畑。

うっすらと霧が出ています。
これぞネッビオーロの語源
「nebbia ネッビア(霧)」です。

3日間お世話になったB&Bをチェックアウトします。
今までに買ったチーズを冷蔵庫で、保冷材を冷凍庫で預かってもらい、今日は昨日と同じようにブラのチーズ祭りに参加して、
午後3時ぐらいにまた
B&Bまで戻ってきて、スーツケースなどを受け取る予定です。

ずっと私達をアルバ駅までの往復をお願いしていたロベルトは別のお仕事の予約があり来られないということで、
ロベルトの息子さんが私たちの
B&Bまで迎えにきてくれることになりました。
どう見ても10代の若い男の子です。高校生かな、大学生かな?イタリア人のイメージとは違う、シャイな感じ。
せっかくの日曜日だけど父親に頼まれて来てくれたのでしょう。
しかも自家用車で完璧な白タクだけどありがとうね。
アルバ駅まで送ってもらい、また午後15時過ぎに迎えにきてもらう約束をして別れました。

さ、出発、と電車のチケットを買うために窓口に行くと、駅員さんがいません。
「スクージィ、スクージィ」となんどか叫び駅員さんにチケットを買いたいと言うと、「今日は一日中、電車も、バスもない」と言う。
しばしの押し問答があり、今日、ストが決行されたとわかる。
でたー!イタリアのスト! 私、前回のイタリア旅行でもストに当たったんだよなー。
ほかにブラに行く方法はないかを尋ねても、何も答えてくれない。まったくもって不親切だ。
イタリア人って普段は陽気だけど、こういう時は非常にドライというか、申し訳ないという気持ちの欠片も見せない。

私たちは午後3時にはB&Bまで戻ってスーツケースを受け取らねばならないという事情もあり、
ブラまで行かれればいいということでもない。
今夜はミラノまで戻らないといけないのだ。困ったね。
困ったあげくに、ロベルトに電話して事情を説明し「助けて欲しい」とお願いしてみた。
ロベルトはまた息子さんをアルバ駅まで行かせるから、
B&Bまで戻りスーツケースとチーズを受け取り、
B&Bからブラまで送るということを提案してくれました。ホントにありがたい。ロベルトさまさまだ。
ロベルトとロベルトの息子さんに助けていただいて、とりあえずはブラまで辿りつけました。
それでも祭りの後、どうやってブラからミラノまで戻るかという課題が残っているので、心は晴れません。
Fさんにも電話で事情を説明したところ、モンス社のブースの端にでもスーツケースを置いていいよと言ってくださった。
そのご好意に甘えることにして、ブラの駅からスーツケースをガラガラひいてモンス社のブースへ行きました。

 

気を取り直して、ブースをまわります。

これはコンテのブース。
フランスで一番食べられているAOPチーズです。

 

 

うわっ、DOPのマークがある。
Casatella Trevigiana DOP 〜カサテッラ・トレヴィジャーナ
これも初めて。

ヴェネト州のフレッシュチーズで
2008年に
DOP取得したようです。
写真だと小さく見えますが、チーズ正味350g、
水も一緒に入ってて全部で400g。

試食させていただくと、シコシコした食感がないので、
パスタフィラータではないようだ。
かといってクリームチーズのような食感でもない。
フェタとも全然違う。
似たタイプを探してみるのだがありそうでないテクスチャーです。

ミルク由来の甘みが口に広がり、
塩気もうすく穏やかな風味で
サラダに入れたり、料理に使えるチーズという印象。

フレッシュだから日本ヘ持ち帰るのは無理だから
1個買って、今夜にでも食べてみよう。

 

これはモッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーニャ
Caseificio "Domenico Romagnuolo"製。

もちろん水牛100%の本物。


半額くらいの値段で
半分をその場で食べさせてくれるサービスをやっていて
日曜日の家族連れに大人気です。

私たちも買って食べてみます。
切り口の一文字の形からして工場製の
ブーファラなのかな?という感じ。
ミルクは甘くてジューシーですが、
ちょっとフカフカとした食感がして
私の好みのテクスチャーではありませんでした。

ストが気になるので駅へ一度 戻ってみます。ストが解消しているかもしれないし。
やはりまだスト中。ミラノどころか、トリノでさえも電車もバスも出ていないとのこと。どうすりゃいいのさ?
チケット売り場のおばちゃんに「どうしたらいい?何かアイディアない?」と聞いても知らん振り。
イタリア人って話好きのクセに、話して欲しい時には無口なんだね。(怒)
タクシーだと日本円で3万くらいかかる?でも最悪、それしかないか・・・・・。

駅を出て困り顔でトボトボと歩きだすと、黒人のアフリカ系のチョイ怖めのお顔の男性が話しかけてきた。
「トリノまで行きたいの?行けるよ!」
タクシーか何かの売り込みだなと無視して行こうとも思ったが、何となく気になり話を聞いてみることにした。
彼が言うには、自分はストの中、今朝トリノからブラまで電車でやって来たと言うのだ。そんなバカな。
今日はトリノ間の電車は上下線ともストップだと駅員が言ってたじゃん。
「駅員は電車は無いって言ってるよ」と言うと「駅員の言うことはあてにならない」と言う。たしかに。
そして、ほらっ!と今朝乗ってきた列車の切符を見せてくれた。ホントだ。この人、ホントの話をしているようだ。
トリノまでの直通は出ていないけれど、別のルートを使って買えるとこまで切符を買って、
少しずつ前進して、乗り換え、乗り換え行けばミラノまで行けそうな予感がしてきた。
すべてのルートがストなわけではない・・・。なるほどね。すごくいいヒントを与えてくれた。
「ありがとう、お兄さんを信じてみるよ」
しかし本来、こんなこと駅員がアドバイスしてくれてもいいんじゃないのか?
人間、見た目じゃないな。怖い顔してるけど優しい兄さんだったのだ。ごめんね、何かの乗り込みかと思っちゃって。
チケットが買えるルートの電車を終点まで買い、「匍匐前進(ほふくぜんしん)作戦開始!」

一度モンス社のブースに戻り、事情を話し予定より早いけれど、もう発つことにしました。
13時過ぎ、ブラを出発し、終点で買えるとこまでのチケットを買って・・・というのを繰り返し、なんとかトリノまでたどり着けました。
トリノまできたら、まったく普段と同じような様子で、ストって何?という様子。
ホントにアルバやブラ周辺だけ部分的にストが行われていただけのようです。
二年に一度のブラで行われる祭り真っ最中の日曜日に、なぜあえてストをするの?
世界中から人が集まってくる祭りの日にストをするというのは、どういう考えか?
イタリアの鉄道に勤める従業員は、自分たちの給料アップのことしか考えていないのでしょうか?

 

 

トリノ駅でちょっと一安心したので、甘いものを。
すごーく美味しい。

今回、学んだこと。
 1.日曜日はストがあるから移動日にしないこと。
 2.イタリアの駅員の話は信用しないこと。

ミラノに到着してスーツケースを駅で預けて
夜ミラノの空港近くのホテルに戻るまで
ミラノを散策するつもりでいたのですが、
ふたりしてスーツケースにガイドブックも地図も
全部入れてしまったので、ミラノを散策できません・・・。
あぁ、おバカさん。

仕方がないので、駅周辺でちょっと早めの
晩御飯を食べましょう。

 

駅近くの店で、野菜を中心に頼んでみました。
チーズに無い栄養素はビタミンCと繊維質。
私たちに今、必要なのは野菜でしょ。

ライスサラダ
野菜のオムレツ
ブロッコリー
ほうれん草
白菜?

そして泡で乾杯!

ストで大変だったけど、
無事に辿り付けて良かったね。

今夜は早めにホテルに戻ることにします。

 

さて、この自動改札は何のためのでしょうか?
電車?いいえ、違うんです。

これ、トイレなんです。
1ユーロ分のコインを入れるとドアが開いてトイレに入れます。
このミラノの駅の有料トイレはそこそこきれいでしたが
お金を取ってて汚いトイレもあるそうですよ。

ミラノ・マルペンサ国際空港の近くの
Hotel Villa Delle Roseにチェックインし、
買ってきた
Casatella Trevigiana DOPのチーズと
サンプルにいただいたクラッカーで軽くお夜食。

持ってきた保冷財を冷凍庫で冷やしてもらい、
パッキングをして明日はもう日本に向けて出発です。

この写真は朝食に(マーちゃんが)食べたもの。
甘い物しか置いてないホテルも多い中、
かなり豪華なラインナップでした。

 

ホテルをチェックアウトし、ミラノ・マルペンサ国際空港まで
ホテルのマイクロバスで送ってもらいます。
帰国の朝は、少し肌寒い。

空港から見たアルプス。

スーツケースをラップでグルグル巻きにしてもらうサービス。
初めてやってもらうことにしました。というのも・・・
行きもロシアのアエロフロートを利用したのですが
悪名高きモスクワ経由ということで、
多くの方々のスーツケースには
「空港の職員による泥棒よけ」を施してあったのです。
私たちもマネしてチェックインカウンターでガムテープを借りて
自分でグルグルと鍵あたりを巻きましたが、
帰りはラッピングサービスを利用して
緑のラップでグルグル巻きにして、
玉虫の出来上がり〜♪

モスクワ空港について、乗り換えです。
4時間ほど待ってそろそろ搭乗の19時20分になったので
搭乗口で待っています。

しかし、出発時間の20時を過ぎても係員は来ないし、
ゲートも開く様子がありません・・・。
何かが起きているようですが、アナウンスもなく、
みんなイライラしだしています。

30分以上経過したころでしょうか。
6時間遅れ・・・と掲示板に表示のみされ
アナウンスもなくディレイ決定。
しかも深夜2時過ぎ決定。

すでにミラノからのフライトで疲れている上に
4時間待ってるのに、さらに6時間って・・・。
お腹が空くとイライラするし戦も出来ないので
まずは腹ごしらえだ〜!!
と二人で「ボルシチ食べよう」と意気込んで店に入る。
いくらなのかも分からないが「ボルシチ」を頼んでみたのに
売り切れみたいで、ないと言われた。
ロシアっぽいのをいくつか頼んでシェアします。
が・・・・残念ながら旨くない。

私たちが食事を取った後、食事券が配られた。
なんだよー!もう自腹で食べちゃったよ。
でも、食事券はもらいに行く。

そしてお隣の席でこの飲み物を飲んでいた
日本人とその息子(ハーフ)のお二人に声をかけた。
「そのお飲み物、美味しそうですけど、なんですか?」と
「これ?モヒートよ」と教えてもらう。

さっそく私たちも真似して「モヒート」を。
ミントとライムとウォッカのカクテルですが、
なぜか分かりませんが、これはウォッカ抜きらしい・・・。

お隣の親子とも会話を楽しみながら
退屈な時間をつぶしていきます。

4時間ほどの待ち時間で深夜12時ぐらいには
出発できることになり搭乗!
さらに9時間半ほどのフライトの末、
くったくたになりながら成田に到着。
ストもディレイも終わってしまえば旅の思い出だよね、と
どこまでもポジティブな私たち。

マーちゃんが誘ってくれたお陰で、念願だったブラのチーズ祭りに行くことができました。
楽しかった旅の思い出を書いていると、もう次の旅に出たくなり、どこに行こうかなーと考えている。
次はどこへ行きましょう。
旅に誘ってくれる友達に恵まれていることに感謝したいし、行くことが出来る健康にも感謝したい。

 


<前のページ >