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今年のテーマは「ディスカバリージャパン」
名古屋に続き「勝沼ワインの今」を発見しに行きます。
「今度は勝沼に行くよ」と母に告げると、「私も行きたい」と。
アルコールが全く飲めないっていうのに
このワイン発見の旅にも、母がくっ付いてくることになりました。
さらに「日帰りじゃなくて泊まりたい」と言うので、
一泊二日になり、さらに母がいるのでワイナリー数を減らし、
ゆっくりまわるスケジュールにしました。

 

土日祝日に運行している「特急はまかいじ」
これだと、横浜から1本で「勝沼ぶどう郷駅」まで
所要時間1時間51分で連れてってくれます。

9時37分、「勝沼ぶどう郷駅」に到着です。
駅に「ぶどう」の名前が入ってるなんて・・・素敵♪
駅の前には、葡萄畑の丘が広がっています。

駅前からタクシーに乗って、大善寺へ向かいます。

 


通称、ぶどう寺、「大善寺」
まずは旅の安全を祈願しましょう。


ワイン受験をした人なら誰もが
「へぇ、ここが大善寺なの」と思うはず。
というのも、日本で最も古くから栽培されているブドウ品種のひとつ
「甲州」の由来については2つの説があるのですが、
ひとつが「雨宮勘解由(あまみやかげゆ)説 1186年」
そして、もうひとつがこのお寺の「大善寺説 718年」なのです。


僧侶の行基が勝沼で修行をしていた際、
満願成就の日に忽然と右手にブドウを持った
薬師如来像が霊夢となって現われた為、
霊感に従い如来像を彫り、大善寺を開き、
この近辺でブドウ栽培が始めたという説です。

雨宮勘解由説の説明は割愛しますが、
どちらの説も確証が無く、疑問が残るものらしいけれど、
私はこの「大善寺説 718年」を信じたいなぁと思っています。



お堂の中に右手にブドウを持った薬師如来像が
いらっしゃいました。
残念ながら撮影禁止でしたので、
写真はありませんが、
しっかり黒ブドウを持ってらっしゃいましたよ。
あれ?甲州はピンクの皮なんですけど・・・。
まっいいか。


このお寺は藤も有名でして、
この週末、5/8(土)には
「藤切り祭り」が行われます。
大蛇を形どる藤の根を刀で切り落とし、
参拝者が奪い合う勇壮なお祭りだそうです。

綺麗です。




さぁ、大善寺を出発です。次に訪ねる「原茂ワイン」さんに電話でお聞きしたところ、
「歩いて20分くらいだから、タクシー使うほどじゃありませんよ」とおっしゃっていたし、
地図で見ても大した距離はなさそうなので、「タクシー呼ぼうよぉ」と言う母を説得し歩いて行ってみます。
20分の予定ですが、11時の予約まで、まだ35分ありますし、余裕でしょう。


歩きだして間もなく、タクシーを呼ばなかったことを後悔しました。
4月に雪が降ったという勝沼とは思えないくらい、
真夏のような気温に、ジリジリと照りつける日差し。
暑い・・・・。日焼けする・・・・。

やっぱりタクシー呼ぶべきでした。

途中、「勝沼大橋」を半分くらい渡ったところで
道を間違えたことに気が付き戻ったりするアクシデントもあり、
結局、30分かかりました。

←土屋龍憲と高野正誠の写真がついた街の案内。
 





原茂ワイン」さん



 


おぉ〜っ、いい雰囲気。
築130年以上の母屋を改装した風情あるワイナリー。
1階が無料試飲も出来るワインショップ、
2階がカフェになっています。


 

人気のカフェ「カーサ・ダ・ノーマ」
11時オープン時の予約なら電話で可能です。
下調べしてるので、もちろん予約で。
人気のテラス席です。


ここがテラス席。
目の前に勝沼のブドウ畑、山が見えます。
長いテーブルに8つのイスがあり、
お隣さんのお2人と同席です。
テーブルに灰皿があり、一瞬ドキッとしましたが、
お隣さんも非喫煙者で良かった♪

もう少し経つとテラス下のぶどう棚は緑の葉で覆われ
緑の絨毯のようになりそうな感じ。

 

「ハラモヴィンテージ甲州シュール・リー2009」
原茂ワインを代表するワインだそうです。
グラスでいただきます、500円。
すっきりとした味わい。

母はぶどうジュース、525円。

 

 


パンの気まぐれブランチ 1,600円。
近隣農家から
仕入れたという野菜や卵、
見た目にも楽しいワンプレート♪
少しずついろんなものを食べたい女性にはピッタリ。
美味しい。ちょい高い気がするけど。


カーサ・ダ・ノーマ風カリー 1,500円
スープカレーのようにサラサラで
玉ねぎの甘みが効いていて、あまり辛くないタイプ。
大きめの牛肉は、フォークで簡単に崩れるほど
柔らかく煮込んであります。

 

 

食事の後は1階でワインの試飲をさせていただきます。

明治時代から生食用として栽培されていたが
実が落ちやすいといわれる品種アジロンダック100%の
「ハラモアジロン 2009」を購入。(1
,900円)
巨峰のような甘い香りに、鮮やかなルビー色、
果実味いっぱいの、軽い辛口の赤ワイン。
 

 

原茂ワインからタクシーで向かったのは
ルバイヤートで有名な
丸藤葡萄酒工業」さん。

私が最初に覚えた日本のワイン会社です。

 

早川さんというイケメンさんが、
工場内や地下セラーを案内してくださいました。
地下のセラーは、元々コンクリート製の発酵タンクだったもの。
コンクリート壁の一面を壊し、樽貯蔵庫に改装されています。
 
写真だと分るでしょうか。
壁には無数にダイヤモンドのようにキラキラと光るものが。
これはかつてここで醸造されたワインの酒石酸です。
蔵の長い歴史を偲ばせますね。


案内していただいた畑。
甲州種はほとんどが棚仕立てですね。

最後にお待ちかねの試飲タイム。
いくつか試飲させていただきましたが、
結局は無料試飲の中に無かったものを買いました。
ボルドーでは補助的な品種のプティヴェルド
100%で作られたものがあったので気になったのです。
日本の気候に合うらしく、今後注目の品種なのだ。
「ルバイヤート プティヴェルドー 2008 東白坂収穫」(3
,900円)
788本限定醸造。

丸藤さんを出て、次は「まるき葡萄酒」さんまで歩きます。
歩いている途中、小高い丘に大きな建物を発見。
地図で見ると「フジッコワイナリー」だと思われます。時間がたっぷりあるので、寄り道してみることにします。

 

フジッコワイナリー」さん

大きなアーチ。



ふじっこのお豆さん♪で有名な佃煮屋さんのフジッコのワイナリーなんです。
2階は勝沼が一望できる眺めのいい、広々としたテイスティングルームになっています。
運転手やワインの飲めない人でも楽しめるようにと、ナタデココ入りの杏仁豆腐も自由に試食できます。
さささっ〜と試飲をしておりましたら、観光バスが数台到着し、家族連れがドドドーと押し寄せてきて
広かったテイスティングルームも人で溢れてしまいました。
購入したいワインも無かったので、私たちは失礼することにしました。ご馳走様でした。
次は目と鼻の先、オレンジの建物を目指します。「まるき葡萄酒」さんです。


まるき葡萄酒」さん

 


数あるワイナリーの中から
私がこちらの訪問を選んだのは、
オレンジの建物こそ新しいけれど、
歴史のある古いワイナリーだからです。

明治10年、ワイン醸造を学ぶためフランスに派遣された
土屋龍憲が明治24年に設立したワイン会社なのです。

「明治10年起業」と書かれた古い看板が2つ
売店の柱にかかっています。
木が反っているのがわかります。

 


実は、ワイナリーツアーを予約していたのですが、
1時間も早く到着してしまったのです。
2階のテラスで休憩しながら
待たせていただくつもりでしたが、
笑顔が素敵な白髪のもっちさんが
「では、ツアーをはじめましょう」と
私たち2人だけのために臨時に案内してくださることに。

こちらは垣根仕立てのカベルネ・ソーヴィニヨン。
下草はそのまま。
かなり低い位置で剪定してあります。
「あんなに低くしちゃって、来年はどうするんでしょうね〜♪」と
フランス帰りの若手の活躍を嬉しそうに話される、もっちさん。


地下のセラーには、約4万本の一升瓶が眠っています。
一升瓶にコルクと王冠を打ち、酸化を防ぐことで、
何十年も瓶熟成を行い、甲州の古酒に成功したそうです。

ツアーの後はお待ちかねの試飲です。
もっちさんお奨めのネーミングは微妙な(失礼!)
「勝沼新鮮組 甲州辛口2009」(1
,600円)と
山ソーヴィニヨン(山ぶどう×カベルネソーヴィニヨン)100%の
「山ソーヴィニヨン葡萄酒 新樽熟成 2007」(2
,800円)と
ぶどうのチップでスモークした「燻製沢庵」を購入しました。
もっちさんの案内はとても楽しかった♪


タクシーで本日のお宿「川口園」へ。
ぶどう農家が兼業でなさっている民宿です。
勝沼は宿が少ないのですが、こちら川口園さんはシャトレーゼや
メルシャンやシャンモリのワイナリーからとても近くて
歩いて数分で何件ものワイナリー巡りができる好立地にあります。
(私はそのどれも行きませんでしたが・・・)

ベランダからブドウ畑も望めますし、お部屋も清潔で綺麗。
夜はシャンモリの木に付けられたライトアップも綺麗です。
ツイン一泊二食付で、ひとり7,100円と激安で、
料理は家庭的でボリューム満点。
勝沼にまた泊まることがあったら、またお世話になるつもり。


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