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永年勤続表彰休暇をいただき、
やってまいりました、スペイン!
世界遺産をたくさん見るんだ!

スペイン、すごく暑いです。
昨日は40度だったというが、
この日は34度くらい。
日陰は風が通り涼しくてありがたいが、
日差しは日本の比ではない。
1分でジリジリと肌が焼ける。
帽子とサングラスが必需品。

最初に向かったのはバルセロナの世界遺産サグラダ・ファミリア。
この池越しのサグラダ・ファミリアが見たかった。

サグラダ・ファミリアはガウディが亡くなるまでの43年間
生活のすべてをかけて捧げた教会です。
モデルニスモ建築の代表的な建築です。
スペイン旅行前に、モデルニスモのこと少し勉強し、
興味が膨らんでいました。

、チケットを手に行きますよ〜。
入口は生誕のファサードです。
ガウディ自らが指揮をとって最初に完成させた部分です。
サグラダ・ファミリアが世界遺産とされているのは、実はこの生誕の門の部分のみ。
4本の塔と3つの門からなり、受胎告知、
キリストの生誕などの40以上の彫刻が見事です。


こちらの彫刻は羊飼いの礼拝。
最初に星を見てキリストに祈ったのが羊飼いで、
民衆の象徴なのだそうです。

 

この彫刻は・・・奏楽の天使たち。
ハープ、バイオリン、民族楽器などを奏でています。

生誕の門の彫刻を担当しているのは、
1978年からサグラダ・ファミリアに携わっている外尾悦郎氏です。

受胎告知。
神の子の母に選ばれたことを
大天使ガブリエルがマリアに伝える場面。

サグラダ・ファミリアの内部。
こんな教会はじめてだ。

森の中に迷い込んだような・・・
幻想的な雰囲気にしばし浸る。

聖堂内部は2010年に完成しています。
完成してからは見せるための教会ではなく、
祈るための教会として、本来の姿に生まれ変わったそうです。

天井から木漏れ日のような光が
教会内に広がっていて、なんて明るいのでしょう。

木漏れ日が降り注ぐ森のイメージで、
巨大なスケールと直線で幾何学的に作り出され、
柱は樹木のように上に行くほど枝分かれしています。
天井には幾何学でデザイン化されたシュロの葉がモチーフとなっています。
シュロは巡礼の象徴なのだそうです。

赤色のステンドグラスも美しい。

緑と青と黄色の光の中でうっとり。

スペイン最初の朝である今朝
会社からの電話で転勤を言い渡され、悶々としていたのだが、
光あふれるサグラダ・ファミリアの中に身を置いていたら、
「命とられるわけじゃなし、小さいことだ」と思えるようになってきた。

入口の生誕のファサードの反対側にある受難のファサードから外にでました。
ガウディが手掛けていないファサードです。
ファサードの装飾のない作りもそうですが、
彫刻が生誕のファサードと違った印象を受けます。
アップで見てみましょう。

シャープな直線を多用したシュールな彫刻。
細かい装飾や無駄なラインをそぎ落とした現代的なフォルムの作品で、
これはこれでキリストの受難を表す作品としては悪くないと思うのですが、
ただ、自然の曲線を多用したガウディの作品との違いに
私は強い違和感を覚えました。
素材も石ではなく、コンクリート。

だからなのでしょうか、この部分は世界遺産から外されています。

 

ギザギザした先にあるフルーツの彫刻は
生誕のファサードの彫刻を担当された
主任彫刻家は、日本人の外尾悦郎氏。
誇らしいですね。

右側の茶色い部分がガウディが手掛けた
石を積み上げて作られた、細かい装飾と曲線から出来た部分。
もちろん彫刻も石でできています。

左側の少し背の低い白い部分はコンクリートで作られている。
入場者増加で収入が増加したことや、

高品質な鉄筋コンクリートや、3Dプリンター等の工事のおかげで
完成まで100年とも200年とも言われていたのが、
2026年には完成予定だという。

高品質な鉄筋コンクリートといっても、
耐久性はせいぜい100年ほど。
完成した姿を見られるのはうれしいけれど、
ガウディの思いとは違う建築物になってしまったようで、なんか複雑な感情が残った。

次に向かったのは、カタルーニャ音楽堂。
こちらも世界遺産です。
バルセロナが誇るモデルニスモ建築の代表的な建築物のひとつ。
モデルニスモ建築とは、フランス語ではアールヌーヴォーのこと。
1900年前後に流行した、新しい芸術・文化運動のことを指します。
この音楽堂を作ったのは、ドメネク・イ・モンタネール。
バルセロナの建築学校の教授をしていて、この時の教え子がガウディです。

音楽堂の内部は普通には入れません。
コンサートなどのチケットを買って入るか、
音楽堂のガイドツアーに参加しなければなりません。
ツアーも人数が限定なので前もって申込む必要があるらしい。
写真撮影もできないそうです。
私は外観だけで我慢。

音楽堂の中にあるカフェは入れます。
こちらも素敵なモデルニスモ。
ステンドグラスや花などのモチーフがあちらこちらに。

そしてこちらの建物は、サン・パウ病院。
じゃ〜ん、こちらも世界遺産です。
こちらの建築もカタルーニャ音楽堂と同じドメネク・イ・モンタネールのもの。
世界中の病院を調べ上げ、何が今の病院に足りないのか?を考え、
「患者を癒す建築」を目指します。
ピンク色の外壁、草花や動物をモチーフにして、彫刻で彩られています。

モンジュイックの丘。
バルセロナの街や海が一望できるところ。
景色のいいところです。
ただ、海は少しガスっています。

こちらは街の方向。
さっき行った、サグラダ・ファミリアが見える。
暑い、日差しが暑い。暑すぎる。

丘から降りてきて海に。
ビーチバレーのコートもあるんだなー。

バルセロナオリンピックの選手の宿舎跡のレストランで
シーフードのランチをいただきます。

ツアーのランチにこんなん出ました。
ほとんど味がないっ。
ツアーでも、もう少し美味しいのが食べたいっす。

15時、やっとツアーから解放され自由行動に。
20時までの5時間、何をしようか考えた結果、
モデルニスモ建築を見てまわることにしました。

カサ・リェオ・モレラ

1階にはロエベのショップが入ってる。
バルセロナの大通りグラシア通りを象徴する建築物のひとつ。
カタルーニャ音楽堂と同様にドメネク・イ・モンタネールがリフォームした建物だそうです。
曲線のバルコニーといくつもの柱と
屋上が見どころなんだそうです。
ゴージャス!
こんな素敵な建物が今もふつうに使われてるところがいいなー。

 

カサ・アマトリェール

チョコレート職人のアントニ・アマトリェーが都会的なゴシック建築を
ジョゼップ・プッチ・イ・カダファルクに依頼した豪邸。
ギザギザ三角の屋根と、緑とピンク色の装飾が、女性的ですね。

 

カサ・バトリョ

カサ・アマトリェールの隣の建物で、ガウディの手によるもの。
もともとあった建物を取り壊す予定のバトリョ氏を説得し、
廃棄物のガラスや陶器の破片を利用したリフォームした建物。
私が一番見たかった建物です。
アントニ・ガウディの作品群として世界遺産に登録されています。

建物の入り口に40人ほど並んでいて
20分くらい並んで待ちましたかね。
入場料は21ユーロぐらいだったかな。
日本語の音声ガイドを渡され、その番号に沿って内部を見学できるようになっています。

1階から2階に上がる階段は、恐竜の背骨のようで、のっけから圧倒されながら、
2階のメインのサロンに向かいます。


海の中を思わせるような巻貝のようなステンドグラスと木で
曲線を多用したドア、そして曲線の壁に天井。
あぁ、どれも素敵すぎる。


サロンの窓はこんな感じで、一面がステンドグラスとガラスできて。
ここでパーティとか開いていたのでしょうか?

あぁ、素敵すぎます。
この部屋、欲しい。

ここは屋上。
煙突もそのままじゃつまらんとばかりに、
なんか不思議物体がいろいろあります。

ここまできますと私の美ポイントを超えているため
屋上は理解できなかった。

うろこの屋根。
テーマパークでもない個人宅の屋上に
こんなん作って、やっぱりガウディさん変わってるよ。



次に向かった建築物はカサ・ミラ。
カサ・バトリョと同様に、
アントニ・ガウディの作品群として
世界遺産に登録されています。
うっかりしてカサ・ミラを通り過ぎそうになったのは、
修復工事のための足場が組まれ、シートですっぽり包まれていたから。
特徴的な外観が見られなかったのは、とても残念。



内部の様子。
やはり曲線ばかりで構成されています。
世界遺産となった今でも4世帯が住んでいらっしゃいます。
世界遺産のお家賃ってお幾らなんだろうかと調べてみましたら、
なんと15万円で借りられるのだそうです。
と、言ってもですね、その4世帯のみ。
新規では借りられないそうです。

この建物の建設当時の家賃は1500ペセタ。
その当時にしては一般人の給料の10倍という高額であったことと、
突飛なデザインのため評判が悪かったこともあり、
借り手がなかなか見つからなかった。
そのため「3世代に渡って値上げなし」という契約条件がついているため、
今、お住まいの4世帯の方たちは、300uで8室もある一等地の、
世界遺産の建物に15万円で住めてるんですって〜♪


カサ・ミラを出てタクシーを拾い、グエル公園へ向かいます。
グエル公園もガウディの作品群として世界遺産に登録されている公園です。
ガウディのパトロンであるグエル氏の依頼で
「人々が自然と芸術に囲まれて暮らせる住宅街」と
して建設されたものの、
たった2戸しか売れず、計画は失敗に終わります。
グエル氏の死後、公園として市に寄贈されています。

写真は無料ゾーンから撮ったテラス。

グエル公園はずっと無料だったそうですが、
有料になり、時間指定もされるようになりました。
私が購入できたチケットは18時半。
あと50分ほど時間があるので、時間つぶしを兼ねて
別料金になりますがガウディさんの家を見学することにします。
このピンク色のかわいい家がガウディさんの家。
冷房が効いていて、助かりました。
涼んで、しばらく休ませてもらいます。

家の中で見張り?をされていた女性の係員さんと
雑談をしたことから話がはずんで、
グエル公園の効率のいい回り方を伝授してもらいました。
目標は30分で見学します。


18時半になり、グエル公園の内部に入ります。
まずはテラスから。
このテラスは列柱ホールの上にあたり、ギリシア劇場ににる予定だったところ。
粉砕タイルやガラスでモザイクされた110mものうねったベンチで縁どられています。
座り心地も計算されているらしく、悪くないです。

皆、思い思いのベンチに座り、写真撮影していますが
私は残念ながらひとりなので、自分が座った写真はゼロ。


テラスからはバルセロナの街が一望できる。
遠くには(写真中央近く)サグラダ・ファミリアも見える。
その後ろには水平線も見える。


テラスの真下には、列柱のホールがあります。
建設当時はマルシェというか市場になる予定だったそうだ。
いくつかの柱が修復中でした。

列柱のホールから階段で降りてきて、ホールを見上げたところ。内部の様子。
ホールの屋上に当たる部分が、最初のテラスで長いベンチがあったところです。

階段の下には、グエル公園の見どころのひとつ、
それがこのドラゴンの噴水です。
このドラゴン、よく見るとトカゲでしょって感じです。
いつも誰かがドラゴンの横に立って写真を撮っているので、
ドラゴンひとりぼっちのこの写真はなかなか撮るまでに時間がかかったさー。
さすがに30分で見学なんて、走り抜けた感が否めない。
もっとゆっくり見たかったが、
もうすぐ19時だ、急がなきゃ。

 

20時の集合時間までに最後の見学として考えていた
グエル邸にタクシーで向かいます。
この建物もガウディ作で世界遺産に登録されています。
緻密な鍛造技術が見事なことで有名。
この天使が付いてる部分なんかも、素晴らしい。
 

到着したものの、チケット売り場も閉まってる。
「写真だけ撮ってくるから、ちょっと待っていてください」と
タクシーの運転手に告げて、タクシーを降りる。
すると警備員さんが「僕の家にようこそ〜♪」と手を広げ
「もう終わりだから、タダで入れてあげるよ」と言う

マジで〜?なんと嬉しいことを言ってくださるの?
う・・・・・しかし、もう19時半、
ここからタクシーで集合場所に向かい、
夜の食べ物をスーパーで調達する時間を考えると、
やっぱり諦めるしかない。
「ありがとう、でも時間がないので、外観の写真だけ」と
残念無念をアピールしながら丁寧にお断り。
外観の写真と、やさしい警備員さんの写真も忘れずに。
「今度は、ゆっくりおいで〜♪」と笑顔を見送ってくれた。
あぁ、せっかく言ってくれたのに残念。

 

無事にカタルーニャ広場の集合時間に間に合いました。
スーパーマーケットで買った夕飯。
タコのマリネと、ヨーグルトと、リコッタ、パン。
うん、美味しい♪


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