永仁三年乙未日記 凡三百八十四日
                           [太田時連日記]

正月大戊寅
一日 丙午 天晴風静まる
  太守御椀飯例の如し。御劔は武州、御調度は戸部侍郎、御行騰は隠州、御馬以下例の
  如し。次いで吉書御覧例の如し。出羽三金を持参す。
二日 丁未 晴
  奥州(宣時)椀飯例の如し。御劔は典厩、御調度は江州、御行騰は野州、
三日 戊申 陰
  武州(時村)椀飯例の如し。御劔は駿州、御調度は常葉備州、御行騰は能州、
五日 庚戌 晴
  御評定始め(若)、太守(貞時朝臣)、奥州(宣時朝臣)、武州(時村)、尾州(公時、
  法名道鑒)、典厩(師時)、遠入(時基、法名道西)、駿州(政長)、上州(貞宣)、野
  入(景綱)、摂入、能州(源宗綱)、勢入(盛綱、行誓)、豊州(倫景)、時連。
  一、神祇権大副経世朝臣申す伊勢の国桑名の事、(豊州)
  一、太神宮領武蔵の国飯倉の御厨の事、(時連)
  一、備中の国福田庄雑掌申す地頭非法の事、(清金)
   三ヶ條沙汰の以後、御事書上覧、武州、能州持参す。次いで三候の後盃酒例の如し。
   次いで問注所吉書例の如し。
七日 壬子 晴、地震大動(辰の終わり)
  評定(二番、五番、老)、奥州(宣時朝臣)、武州(時村)、遠入(時基、道西)、越
  入、駿州(政長)、隠州、能州(宗綱)、勢州(盛綱、行誓)、豊州(倫景)、時連。
八日 癸丑 朝陰昼晴
  心経会例の如し。太守御不参。二馬驚走するの処、引手倒し載す。
九日 甲寅 晴
  引付、遠入、能州、時連、嶋田、雑賀、安富、工藤、
十日 乙卯 晴
  将軍相州の亭に入御す。御行始め。
十一日 丙辰 雨
  太守評定衆を招請有って、一候を勘ぜらるべしと云々。仍って長崎の金吾催促するの
  間参入し盃酌夜陰に及ぶ。一声の管弦有り。時連御酌を取り一片を申し候。
十二日 丁巳 晴
  引付、評定(老)、地震(丑の終わり)。太守、奥州、尾入、遠入、野入、隠州、勢
  入、総入、豊州、時連。引付、戸部、摂州、常州。
十三日 戊午 晴
  夜に入り豊州軽服の由触れ遣わしをはんぬ。
十四日 己未 晴
  御的、太守御出仕無し。
十六日 辛酉 晴
  評定(老)、南都の事、遂にその沙汰有るべきの由、評をはんぬ。
十九日 甲子
  引付、遠入、戸部、時連、嶋田、雑賀、安富、鎌田、工藤、
廿日 乙丑 晴
  式評定(若)、地震(卯の終わり)。太守、奥州、武州、尾入、典厩、遠入、越入、
  上州、野州、隠州、摂入、能州、勢入、時連。南都の事、各々一人御前に参り所存を
  申されをはんぬ。已後越訴方の事一ヶ條聞こし食されをはんぬ。
廿一日 丙寅 大雨、大風
  内評定。
廿三日 戊辰 晴
  引付、評定(四番、二番、老)。奥州、尾入、典厩、遠入、越入、駿州、上州、野入、
  隠州、摂入、時連。引付、戸部、摂州、常州。
廿四日 己巳 晴
  引付。
廿五日 庚午 晴
  式評定(老)。太守、奥州、武州、尾入、上州、野入、隠州、摂州、能州、時連。
  南都の事(摂入、明民)、一乗院僧正坊の事、衆徒條々強訴に及ぶと雖も、先度流刑
  を宥めらるるの上は、今に於いては許容に及ばず。次いで門主の事、鷹司殿御子息を
  以て、一乗院僧正坊門徒中知法の仁を撰び入室有るの儀は、定めて静謐たるか。この
  條古実人々に先規を尋ね仰せられ、遂にその沙汰有るべし。
廿七日 壬申 晴
  引付、評定(五番、三番、老)。太守、陸州、典厩、遠入、駿州、上州、野入、隠州、
  能州、勢州、豊州、時連、民少戸、常州、
廿九日 甲戌 晴
  評定臨時(若)。南都の事、先度の評定に任せ古実の仁を尋ねらるべきの由、その沙
  汰をはんぬ。
卅日 乙亥 晴
  評定。太守、奥州、尾州、典厩、駿州、隠州、能州、勢州、豊州、時連。時連奉行の
  事條々申し沙汰をはんぬ。

二月大己卯
一日 丙子 晴
  内評定。夜に入り雨。
二日 丁丑 風雪
  引付、評定(一番、四番、老)。雪中雷鳴唯一声を聞く。俗に内に怖れ有りと云々。
  奥州、尾入、野入、隠州、能州、勢入、豊州、時連。引付、民少戸、常州。
三日 戊寅 晴
  引付。
五日 庚辰 晴
  式評定(老)。奥州、典厩、野入、隠州、摂入、豊州、時連。時連奉行の事條々申し
  沙汰をはんぬ。
七日 壬午 晴
  引付、評定(二番、五番、老)。奥州、遠入、駿州、上州、野入、隠州、能州、勢入、
  豊州、時連。引付、民少戸、常州。南都の事、公壽法印(一乗院使者)下向すと云々。
  問答をせらるべきや、また先日の御沙汰に就いて落居有るべきや否やその御沙汰をは
  んぬ。
九日 甲申 晴
  引付。遠入、民小、能州、時連、嶋田、雑賀、安富、鎌田、工藤。
十日 乙酉 晴
  式評定(老)、太守、奥州、武州、尾入、典厩、遠入、越入、上州、野入、隠州、摂
  入、能州、勢入、豊州、時連。南都闘乱の事(摂入、豊州、明石)、蜂起の衆徒等の
  條々、子細を申すと雖も許容せられ難く、仍って寺中を警固せられ、この旨を仰せ含
  むべし。次いで新門主の事、鷹司殿御子息中、未だ出家せざる人を以て、一乗院門徒
  中知法の仁を撰び入室せらるべし。これ等の條々早く取り捨てられ、遂てその沙汰有
  るべきの由評をはんぬ。
十二日 丁亥 晴
  引付、評定(三番、一番、老)。奥州、武州、尾入、典厩、遠入、越入、野入、隠州、
  能州、勢入、豊州、時連。引付、民小、摂州、常州。
十四日 晴
  引付、遠入、能州、時連、嶋田、雑賀。
十六日 辛卯 晴
  式評定(老)、太守、奥州、武州、尾入、典厩、遠入、野入、隠州、摂入、能州、勢
  入、豊州、時連。南都の事書取り捨てをはんぬ。但し内々殿中の仁を以て京都に上ら
  れ、事の次第委細尋ね問わるるの後、その沙汰有るべきの由評をはんぬ。奸智の輩、
  明党比周、條々直諫を入るの由、近日これ風聞す。大略評定衆以下皆以てこれを讒る
  と云々。更に諫諍の道に非ざるか。尾州祇候人織部の正有宗・長門二郎等所領を取り
  上げ追却せらる旨、その説有り。典厩候人稲津中書・平井手□□以て同前、
十八日 癸巳 晴
  太守祇候の輩女医博士・工藤右衛門の尉等、連署の状を以て讒言せらるに依って、各
  々出仕を止めらると云々。入諫の道書籍に載する所輙からず。その仁に非ずして直諫
  の状を捧ぐ。頗る不義たるか。
十九日 甲午 晴
  引付、遠入、民小、野州、時連、雑賀、安富。
廿日 乙未 晴
  式評定(若)、太守、奥州、尾入、越州、野入、隠州、能州、豊州、時連。廊の御方
  雑掌と松殿宰相中将入道雑掌と相論す、出雲の国杵築社以下の事、引付せらるべきの
  由評をはんぬ。
廿一日 丙申 晴
  地震大動(巳の刻)。内評定。
廿三日 戊戌 晴
  引付、評定(奥州亭、若)、奥州、尾入、駿州、野入、隠州、勢入、豊州、時連。
  引付、民部、摂州、常州。太守明日より二所の御精進を初めらるるの間、奥州の御亭
  に於いて評定を行わる。安東新左衛門、南都の事に依って、御使いとして進発すと云
  々。
廿四日 己亥 陰
  太守二所の精進を初め給う。仍って塩掻の為前濱に出で給うと云々。
廿五日 庚子 晴
  式評定(若)。
廿六日 辛丑 晴
  臨時引付、民小、時連、嶋田、雑賀、安富。
廿七日 壬寅 晴
  引付、評定(若)。奥州、駿州、野入、隠州、勢入、豊州、時連。引付、民小戸、摂
  州、常州。
廿八日 癸寅 晴
  引付延引、奥州片瀬に出でらる。

閏二月小
一日 丙午 晴
  内評定。
二日 丁未 晴
  引付、評定(老)、奥州、駿州、野入、隠州、能州、勢州、豊州、時連。引付、民部、
  摂州、常州。二所御代官長崎左衛門すでに参着すと云々。則ち見参に入り、退出しを
  はんぬ。
三日 戊申 晴
  引付。
五日 庚戌 晴
  式評定(若)、太守、奥州、武州、典厩、尾入、駿州、遠入、野入、隠州、能州、勢
  入、豊州、時連。時連奉行の事申し沙汰をはんぬ。
七日 壬子 晴(夜雨)
  評定、奥州、尾禅、遠江入、越入、隠州、能州、勢入、豊州、時連。引付、民小、常
  州。
九日 甲寅 晴
  引付、御寄合、遠入、民小、能州、時連。
十日 乙卯 晴
  評定、奥州、武州、典厩、遠入、越入(顕時、恵日)、上州、野入、隠州、能州、勢
  入、豊州、摂州、時連。
十一日 丙辰 晴
  飯尾中務を問注所訴人訴え申す事有りと云々。何様の事や。引付に召し加えらるべき
  の間、犯否を申すべきの由仰せ下さるるの由、訴人申す旨有りと雖も、当時の如きは、
  別して私曲無きの由御返事を申せしめをはんぬ。
十二日 丁巳 晴
  評定、奥州、武州、遠入、越入、上州、野入、隠州、能州、勢州、豊州、摂入、時連。
  引付、民部少、摂州、常州。常葉備州、丹後の廷尉(四番)、摂州(三番に遷えらる)、
  皆由図書の助(一番文副)、飯尾中務(政有)、矢野八郎貞倫(二番、元政所)、津戸
  小二郎(為行、二番合奉)、富来孫十(光康、四番)、肥後二郎(頼平、元政所召人、
  三番)、明石民部二郎(盛行、三番)、岡田五郎左衛門の尉(景實、四番、当所公人
  に召し加えらる)、越前孫七(政親、五番)、召し加えらるべきの由これを仰せ出さ
  る。明石彦次郎、豊前左京の進、皆吉彦四郎侍所に召し加えらると云々。
十三日 戊午 晴
  内評定延引。
十四日 己未 陰、小雨
  引付。長谷辻西に火事出来す。
十六日 辛酉 小雨
  御評定延引。御寄合。
十八日 癸亥 雨
  臨時の評定。相州、奥州、武州、遠入、駿州、上州、野入、豊州、時連。雑賀孫四郎
  侍所に召し加えらると云々。
十九日 甲子 晴
  引付、遠入、民小、摂州、時連、嶋田、雑賀、安富、肥二、河匂。
廿日 乙丑 陰、晩小雨
  評定、太守、奥州、武州、尾入、遠入、越入、駿州、上州、野入、能州、豊州、時連。
廿一日 丙寅 雨
  内評定、御寄合。安東新左衛門京都より下向す。南都合戦の次第あり。
廿三日 戊辰 雨
  引付、評定(四番、二番、若)、奥州、尾入、典厩、上州、野入、勢入、豊州、時連。
  引付、民小卿、備小卿、常州、丹廷。南都の事、奥州・武州・尾入・上州・野入、各
  々豊州を以て、明戸・安東、両六原並びに両使の所存、事の次第等心得として申し聞
  さると云々。
廿四日 己巳 晴
  引付、遠入、民小戸、時連、嶋田、雑賀、安富、肥二、河匂。
廿五日 庚午 晴
  式評定、太守、奥州、武、尾入、典厩、遠入、越入、駿州、上州、野入、隠州、摂入、
  豊州、時連。南都の事(摂入、豊州、明石)、御使い安藤左衛門の尉重縄訓釈これを
  申す。
廿七日 壬申 晴
  太守、奥州、遠入、越入、野入、隠州、豊州。
廿九日 庚戌 晴
  奥州、武州、尾入、典厩、遠入、越入、駿州、野入、隠州、豊州。

三月大庚辰
一日 乙亥 雨
  内評定。
二日 丙子 晴
  奥州、典厩、遠入、越入、駿州、尾州、野入、隠州、豊州。
三日 丁丑 晴
  引付、遠入、民小、時連、嶋田、雑賀、安富、肥二、河匂。
五日 乙卯 晴
  式評定延引。
七日 辛巳 晴
  評定、奥州、武州、尾入、典厩、越入、駿州、尾州、上州、野入、隠州、摂州、勢入、
  豊州、時連。引付、備州、民少、摂州、常州、丹廷。
九日 癸未 晴
  引付。
十日 甲申 晴
  式評定、奥州、尾入、遠入、越入、駿州、上州、野入、摂入、勢入、豊州、時連。
十二日 丙戌 晴
  評定、奥州、武州、尾入、遠入、隠州、勢入、豊州、時連。引付、備州、民少、摂州、
  常州、丹廷。
十三日 丁亥 晴
  内評定。
十六日 庚寅 晴
  評定、相州、奥州、典厩、越入、尾州、野入、隠州、摂入、能州、勢入、豊州、時連。
  引付、備州、民少、摂州、常州、丹廷。
廿一日 乙未 晴
  内評定。
廿二日 丙申 晴
  御寄合と云々。
廿三日 丁酉 晴
  評定、奥州、尾入、典厩、越入、尾州、上州、野入、隠州、能州、勢入、豊州、時連。
  引付、備州、民少、摂州、丹廷。
廿四日 戊戌 晴
  引付。
廿五日 己亥 晴、風
  評定、相州、奥州、尾入、典厩、越入、尾州、上州、野入、隠州、勢入、能州、豊州、
  時連。
廿七日 辛丑 晴(夜に入り雨)
  評定。
廿九日 癸卯 晴
  廊の御方流産の間、御物沙汰暫く延引すと云々。

四月
一日 乙巳 晴
  三嶋の御精進始めと云々。
五日 己酉 晴
  奥州御軽服と云々。
六日 庚戌 晴
  臨時の御評定、相州、武州、野入、隠州。引付、摂州、常州、丹廷。
十二日 丙辰 晴
  評定。
十三日 丁巳 晴
  御評定、相州、武州、尾入、越入、野入、隠州、勢入。引付、民少、摂州、丹廷。
十四日 戊午 晴
  内評定。
廿日 甲子 晴
  評定、隠州、能州、勢入、豊州、時連。
廿一日 乙丑 晴
  内評定。
廿二日 丙寅 晴
  越州鎮西より参着すと云々。
廿三日 丁卯 晴
  評定、相州、武州、尾入、典厩、遠入、上州、野入、隠州、能州、勢入、豊州、時連。
  引付、備州、常州、丹廷。
廿四日 戊辰 晴
  引付。地震(未の終わり)。
廿五日 己巳 晴
  式評定、奥州、尾入、典厩、遠入、越入、野入、隠州、能州、勢入、豊州、時連
廿六日 庚午 晴
  地震。
廿七日 辛未 晴
  地震。御寄合。下野入道以下の人々新恩を浴すと云々。
廿八日 壬申 晴
  地震。評定、奥州、典厩、遠入、上州、勢入、豊州、時連。引付、備州、民少、摂州、
  常州、丹廷。
廿九日 晴
  評定延引。御寄合と云々。武庫鎮西より参着すと云々。

五月大
一日 甲戌 雨
  内評定。地震。
二日 雨
  御評定。地震。奥州、尾入、遠入、駿州、尾州、上州、野入、勢州、豊州、時連。
  引付、備州、民少、摂州、常州、丹廷。明石民部大夫、嶋田民部大夫侍所奉行人に召
  し加えらる。無足訴訟人衣食の事、伊勢入道相共に申し沙汰すべきの由、仰せ下さる
  るの間、拝諾しをはんぬ。且つは安富大蔵の丞、椙原主計の允、太田三郎執筆に入る
  べきの由、同じく仰せ出されをはんぬ。
三日 晴
  地震。
四日 晴
  地震。安富大蔵の丞来臨するの間、無足訴人衣食の事、御沙汰の扁目等申し談じをは
  んぬ。
五日 戊寅 陰
  式評定、奥州、武州、典厩、駿州、野入、勢入、豊州、時連。
七日 陰
  地震。評定、奥州、尾州、遠入、野入、勢入、豊州、時連。引付、民少、摂州、常州。
八日 晴
  地震。
九日 雨
  地震。
十日 晴
  地震。式評定、奥州、尾入、遠入、上州、野入、隠州、摂入、勢州、豊州、時連。
  評定以後、無力訴人衣食の事内談しをはんぬ。
十二日 晴
  地震。御評定、奥州、尾入、遠入、上州、野入、隠州、摂入、勢入、豊州、時連。
十四日 晴
  地震。前の宮内権の大輔今夕下着すと云々。山名孫四郎、雑賀孫四郎引付に召されを
  はんぬ。
十六日 晴
  地震。式評定、相州、奥州、尾入、典厩、遠入、尾州、上州、宮輔、野入、隠州、摂
  入、勢入、豊州、時連。御評定以後、無足訴人の事内談しをはんぬ。
十七日 雨
  出羽の前司帰参すと云々。
廿日 晴
  御評定、相州、奥州、尾入、遠入、越州、駿州、上州、野入、宮大、隠州、羽州、豊
  州、時連。時連奉行の事三條申し沙汰をはんぬ。
廿三日 晴
  地震。御評定、奥州、尾入、典厩、越州、駿州、尾州、上州、摂入、勢入、豊州、時
  連。引付、備州、民少、武庫、摂州、常州、丹廷。評定以後、無足訴人の事、勢入相
  共に申し入る。太守御方申し沙汰をはんぬ。
廿五日 晴
  評定、太守、奥州、典厩、遠入、越入、越州、駿州、尾州、野入、勢入、羽州、豊州、
  時連。
廿七日 晴
  御評定、太守、奥州、典厩、遠入、越入、尾州、上州、野入、宮大(宗秀)、隠州、
  勢入、羽州(行藤)、豊州、時連。引付、備州、民少、武庫、摂州、常州、丹廷。
卅日 晴
  御評定、太守、奥州、典厩、越州(兼時)、駿州、宮大、隠州、勢入、羽州、摂入、
  豊州、時連。

六月
二日 晴
  御評定、奥州、典厩、遠入、越入、尾州、野入、宮大、隠州、勢入、羽州、豊州、時
  連。引付、備州、民少、武庫、摂州、常州、丹廷、因州。
十日 晴
  御評定、奥州、尾入、典厩、越州、尾州、野入、工部、隠州、羽州、勢入、豊州、時
  連。
十二日 晴
  御評定。
十六日 雨、陰晴不定、頗る変異と謂うか
  評定(老)、太守、奥州、尾入、越州、上州、野入、司農、隠州、勢入、羽州、豊州、
  時連。南都の條々事書取り捨て等その沙汰をはんぬ。
十七日 天晴
  雨降る。雨降り雲散る。転変数度。
十八日 陰晴不定
  雲散り雨降る。雨降り雲散る。この天気怪しむべきなり。
廿日 晴
  評定(越訴、老)。太守、奥州、典厩、越入、尾州、上州、野入、司農、隠州、勢入、
  羽州、豊州、時連。
廿二日 晴
  常住院僧正坊申す新熊野検校並びに桂園院の事、申し沙汰すべきの由、豊州を以て仰
  せ下されをはんぬ。
廿三日 晴
  引付、評定(四番、二番、若)。地震。太守、奥州、尾州、越州、上州、野入、隠州、
  勢入、羽州、豊州、時連。引付、民少、武庫、摂州、常州、信州、因州。
廿五日 晴
  評定(老)、太守、奥州、尾入、越州、駿州、尾州、上州、隠州、勢入、羽州、豊州、
  時連。
廿六日 雨
  評定(臨時、若)。大炊跡の事その沙汰をはんぬ。太守、奥州、武州、尾入、上州、
  司農、摂入、勢入、羽州、豊州、時連。引付、民少、武庫、摂州、常州、信州、因州。
  評定已後御寄合。太守、奥州、武州、尾入、司農(奉行)、羽州、豊州、孔子一二。
  常住院僧正坊申せらる桂園院並びに新熊野検校職の事、申し沙汰をはんぬ。両職共、
  関東の御口入たるを以て改替せられをはんぬ。申せらるるの趣子細無きに非ず。その
  上公家より仰せ下さるるの上は、桜井門跡の事聖断在るべきの由、御返事を申せらる
  べし。但し常住院下向の條、然るべからざるの間、両條訴訟に於いては、前々の沙汰
  相違無し。且つは具書以下至らば、返し遣わさるべきの旨、同じく沙汰しをはんぬ。
  時連意見を召さるるの間、所存を申しをはんぬ。
廿七日 晴
  引付、評定(五番、三番)、太守、奥州、尾州、野入、司農、豊州。引付、備州、民
  少、越二入、常州、信州、因州。
廿九日 晴
  式評定、太守、奥州、武州、尾入、越州、尾州、上州、野入、隠州、羽州、豊州。

七月大
二日 甲戌 晴
  引付、評定(一番、四番、若)、太守、奥州、武州、越入、駿州、尾州、上州、野入、
  勢入、豊州、時連。引付、備州、民少、武庫、越二入、摂州、常州、信州、因州。
三日 乙亥 晴
  引付。
五日 晴
  式評定(老)。地震(辰の始め)、大動。太守、奥州、越州、尾州、上州、野入、豊
  州、時連。
七日 晴
  引付、評定(二番、五番、若)、奥州、武州、越入、尾州、上州、野入、司農、羽州、
  豊州、時連。引付衆、備州、民少、武庫、刑部(初参)、摂州、因州。
九日 晴
  引付、評定(一番、鳥取の事、臨時、若)、太守、奥州、武州、尾入、越州、野入、
  司農、摂入、羽州、豊州、時連。引付、備州、越二入、刑部、摂州、常州、信州、因
  州。鳥取式部房、仰せに依って長崎金吾彼の沙汰の程、経廻の儀無し。この上は訴訟
  を止むべきの由、式部房申せしむるの間、当庄は本所進止すべきの旨評をはんぬ。本
  所の訴訟道理顕然なり。是非に入り沙汰有るべきの処、この儀聊か相違せしむか。
十日 戊午 晴
  式(若)、奥州、武州、典厩、野入、司農、摂入、豊州、時連。
十二日 晴
  引付、評定(三番、一番、若)、太守、奥州、典厩、武州、越入、越州、駿州、上州、
  野入、摂入、勢入、羽州、豊州、時連。引付、備州、民少、武、左親衛、兵部、越二
  入、摂州、常州、信州、因州。
十六日
  相州、尾入、越州、尾州、上州、野入、司農、勢入、羽州、摂入、豊州、時連。
  評定以後、無足訴人衣食の事内談致しをはんぬ。
廿日 晴
  御評定。
廿三日 晴
  御評定。
廿五日 雨
  御評定。
廿七日 晴
  御評定、相州、奥州、武州、典厩、越入、駿州、尾州、野入、勢入、羽州、豊州、時
  連。引付、民少。武庫、兵部、摂州、常州、信州、因州。
卅日 晴
  御評定、奥州、典厩、上州、野入、豊州、時連。引付、備州、民少、武庫、左親衛、
  兵部、越二入、摂州、常州。

八月
二日 晴
  権評定、奥州、遠入、駿州、尾州、上州、野入、豊州。引付、民少、武庫、左親衛、
  越二入、摂州、常州、信州、因州。
三日 晴
  地震。今宵、清式部四郎左衛門死去すと云々。
五日 晴
  御評定、相州、奥州、武州、典厩、遠入、上州、野入、摂入、豊州。豊後六郎左衛門
  の尉家光、問注所合奉行に召し加えらるるの由、これを触れ来る。
七日 晴
  御評定、奥州、典厩、上州、豊州、時連。引付、民少、兵部、越二入、摂州、常州、
  信州、因州。
九日 陰、風
  引付。地震数ヶ度。
十日 雨
  青連院の宮御入滅の由、六波羅より申す所と云々。仍って御所御憚りの間、御評定延
  引す。
十三日 雨
  内評定。流鏑馬調べ、相州御出と云々。
十四日 雨
  御評定、十二日分。相州、奥州、武州、尾入、典厩、遠入、尾州、上州、野入、羽州、
  豊州、時連。引付衆、民少、左親衛、兵部、常州、因州。
十五日 陰
  鶴岡八幡宮の舞楽と云々。御所憚りの間、御出無し。
十六日 晴
  放生会、流鏑馬以下の儀式例の如し。
十七日 晴
  御評定、相州、奥州、典厩、尾州、上州、野入、隠州、能州、摂入、勢入、羽州、豊
  州、時連。
廿日 雨
  御評定。
廿三日 晴
  御評定、相州、奥州、典厩、尾州、上州、野入、隠州、摂入、勢入、羽州、豊州、時
  連。引付衆、備州、民少、武庫、左親衛、兵部、摂州、信州。
廿五日 晴
  御評定、相州、奥州、武州、遠入、尾州、上州、野入、隠州、摂入、能州、勢入、羽
  州、豊州、時連。