2006・09・16 

アラスカ鉄道とオーロラの旅


JAL が季節限定で飛ばすアラスカ直行チャーター便を見つけました。 たった6時間少々でアラスカへ
行けるのですからハワイよりも手軽です。        残念なことに5泊7日の決められた行動となり、
いずれかのツアーに参加する形の中での自由しかないのですが、とにかく短時間で到着できる利便性
は、現在直行便がないだけに非常に有難いものと言えます。  気まま旅行になれた者にとってツアー
はきついのですが、調整して中2日間の自由時間を確保し、レンタカードライブを組み入れてみました。

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アンカレッジの空港は昔は国際線のほうが主力だったのでしょうが、現在は国内線ターミナルが断然綺麗
でレンタカーのカウンターや売店なども充実しています。  シャトルバスを使って移動することが出来ます
のでこれが便利です。   半地下のカウンターで手続きを済ませ通路でつながった駐車場から乗り出す
事になりました。 初日はあいにくの小雨模様でしたが、アンカレッジから南のスワードに伸びるハイウエー
はオールアメリカン・ロードに選ばれただけ在って、海あり山あり氷河あり自然一杯の風光明媚な道路です
Seward までは南に伸びるアラスカ鉄道と付かず離れずに進むことになります。
 途中から分かれてWhittier に向かえばそこはもう氷河の世界、アンカレッジから1時間半、こんな手近に
多くの氷河を見れるのですから便利なものです。  時間があればクルーズがお薦めです。車ではPortage
Lake を過ぎると有料トンネル道路(12ドル)になり時間ごとの一方通行なので結構待ち時間が必要です。

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定規で引いたような碁盤目の町アンカレッジの地図上の頂点にアラスカ鉄道の駅があります。 フェアバンクスへ
向かう北行きの列車は一日一本(8:15発)しかないのですから乗り遅れるわけには行きません。
黄色の車両が本来のアラスカ鉄道の車両で二階建ての車両は観光会社が所有して運営する食堂車(1F)兼展望
車両で、アラスカ鉄道に連結して運行します。       今日は快晴きっと素晴らしい眺めが期待でるでしょう!

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二階の展望車は出来れば進行方向左側がマッキンリーが見えますので取りたい所ですが、眺望の開けた車両で
すのでどちらでも問題はないでしょう。 写真やビデオを撮るのには車両ごとに開放されたデッキが用意されており
写真愛好家には大変ありがたい設備です(寒いですがね!)。

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まさにアラスカ大地の自然の中を進む鉄道は風景の変化と雄大さ、特に9月の紅葉の素晴らしさに時間を忘れさせ
てくれます。  ついに見えました、アメリカ大陸の最高峰マッキンリー(現地語でディナリ)です。

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これだけマッキンリーが全容を見せることは大変珍しいそうで「貴方たちは大変ラッキーです」と乗務員に言われま
したので素直に受け止めておきましょう。 錦織り成す風景とは正にこの様なものを言うのでしょうか、タルキナート
を経由してディナリ国立公園駅まで7時間30分、まったく飽きさせることのない汽車の旅です。

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アラスカ鉄道といえば必ず出てくる、この鉄橋の写真です。 谷間に映る影を見て頂けばその高さを想像して頂け
ると思います。 のんびり走るこの列車は、景色が良いと止まってしまうのですから時間が掛かるのも当然のこと
アンカレッジとフェアバンクス間を12時間かけて走ります。 ちなみに車では6時間ぐらいの行程です。

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ディナリ国立公園の中は特定車両以外入ることが出来ませんので観光客は公園専用のバスを利用します。 とてつ
もなく広い公園の中に道路は一本だけ、「自然を大切に・人間は動物世界の邪魔者」が基本的な考えだそうです。
一般の人が入れるのは入り口から約120キロまで、往復7時間の行程です。  狼や熊その他もろもろの動物を
垣間見ることが出来ますが、なんせ遠くで豆粒大。  正直動物に触れるにはイエローストーン国立公園のほうが
数段上と感じました。    マッキンリーを含むこの光景は又格別です(手入れは良いですが未舗装ですので!)
間近に見れたのは「雷鳥」だけで、もう冬の保護色の白に成りかけていました。

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アメリカ最北端の鉄道駅「フェアバンクス」です。  9・11 五周年で半旗が掲げられていました、現在でも貨物が
主体のアラスカ鉄道ですから、9月15日を過ぎると冬季間ダイヤになり一週間に一本の旅客列車運転になるそう
で、デイナリ公園駅周辺のホテルも15日で営業を終わるとのことでした。

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オーロラといえば光のカーテンが乱舞するものとイメージを植えつけておりましたが、一寸と残念・そのような現象は
年に何回かだそうで上の写真は30秒露光してやっと写ったオーロラです。  満月に近い夜でしたので条件はあま
り良くなかったのだと思います。     新月で快晴、そして太陽活動が活発な日となればそう多くは望めません。
残念ながら肉眼ではこのようにハッキリ見えないのです「見ると聞くでは大違い」の類でしょう。 まったく見れない人
が多い中で、たった二日の滞在で二日ともそれらしいものに会えたのですから贅沢は申せません。
 フェアバンクス郊外の小高い丘に日本人の新婚夫婦が自分たち仲間で作ったログハウスをオーロラ観測に提供し
ている Aurora Borealis Lodge を利用させてもらいました。  新婦さんのご両親がお手伝いに日本から来て
おられ、どこかでお見かけしたようなと話しかけたら、なんとなんと我が峰本のお得意様、世の中狭いと大笑いです。

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食べるものの話が抜けていましたね!    なんといっても横綱はレッドキングクラブとキングサーモンでしょう。
極北の町ですから果物や野菜は本土からの輸送品、べりー類だけが豊富で自然の恵みを与えてくれるそうです
  蟹は日本のタラバガニと同種ではないかと思いますが「蟹がこれほど美味いもの」とは知りませんでした。 
北海道で食べる蟹も美味いとは思っていましたが、まったくの別物!  屋台のような店でも茹でたてを出してく
れるのですが、身のしまり具合と言い、歯ごたえと言い私の知らなかった蟹さんです。 1ポンドで約2200円安い!
フェアバンクスの空港ではお土産は皆無と申しておきましょう。    観光地にはそれなりの土産品がありますが
郊外 Davils Rd にある サンタズ・スモーク・ハウスはキングサーモンを加工販売しています。 御覧のようなバラッ
ク風の工場ですが品物は確かです。  海産物は日本の検疫にもまったく問題ありませんので安心です。



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