灼熱の太陽  スペイン
岩山と道路

 

どこまでも澄み切った青い空、どこまでも広がる赤茶けた大地、燦燦と照りつける太陽、広漠たる荒野に突然現れる白い家並み、地中海の翠と対比する岩山、これが私の受けたスペインの印象である。

 太陽と水に恵まれた日本・鎌倉に住む私にとっては強すぎる太陽をもてあまし、緑と水にカツレタ10日間であった。  バレンシア・オレンジに代表される果物生ハム・ラム・オリーブ・ビーフ・ワイン・新鮮な魚介類なんとも魅力的な食べ物に救われたような気がする。

壁一面に吊るされた生ハムは圧倒されるボリュームで迫ってくる

 職人の鮮やかな手さばきで紙のように削がれる生ハム。 これは日本で食べるものとは格段の相違である。   是非一度現地で試されることをお薦めする。

 右の写真は豚のモモを加工し た 生ハムである。   

ハムきり作業 吊るされた生ハム
トレドの全景    城外から見たトレドの全景

 

多少旅の様子にも触れてみよう。 マドリードを振り出しに、コルドバ⇒セビージャ(セビリアとは言わないそうだ)⇒グラナダ⇒ミハス⇒コスタデソル⇒ロンダ⇒バルセロナと、パラドール(国営のホテル)を利用しながら周るコースを辿った。

  パラドールは教会や城砦など歴史有る建物を国営の宿泊設備とし施整備した物で、日本で言う第三セクターが経営しているそうだが、ほとんどがいわゆる四ッ星クラスで、料理・設備とも、その期待を裏切らない。

 フリーでは取りにくいので現地のツーリスト(ミカミトラベル)を通じて手配されることをお薦めする。

ロンダのパラドール  ロンダの渓谷とパラドール全景

 昔の市庁舎を改造したロンダのパラドールが目もくらむ断崖絶壁の上に建てられている。  食堂の窓から西に傾く夕日を眺めながら、この地方特産のシェリー酒の杯を傾ける、これは正に至福の時であろう。

 生ハムに添えられたくりぬきのメロン、闘牛用の牛の尻尾(本当かな?)のとろけるような味は忘れなれない逸品である。   小さな町だがスペイン最古の闘牛場があり、それらしいロンダ銀座も存在する。    

スペインの夕食は遅い。一般的には10時ごろからと言われるが、  われわれ旅人は8時ごろからお許し願って、それでも終れば10時を過ぎる。   

フラメンコの踊り

スペインと言えば、このフラメンコを見ぬ手はないだろう

 セビージャの夜を訪ねることにした。出来るだけ大勢の人と行動をともにすることをお薦めする。        残念ながら、スペインの治安の悪さは、評判にたがわない。  特に大都市での被害は本物である。

 かく言う、私共も被害者になり損ねた(後でたしなめられたが、勇敢にも取り返した)のである。 同行の仲間は、ご夫婦でバックをカッパラわれるはめに合われたのだから、大した被害で無くもケシテ良い印象は残らない

 ピカソ・ダリ等や多くの芸術家を輩出しているスペインは、各地に有名な美術館を擁している。

 われわれ凡人には、サグラダファミリア・グエル公園などガウディーの作品を目の前の建造物として突き付けられると圧倒されてしまう。

 オリンピックの開催以来、国中の高速道路が整備され、大変交通の便が良くなったそうで、新幹線や高速道路を利用したが立派なものである。   日本のようにちまちまと料金を取られないのが嬉しい。

120キロで飛ばすモーターウエーは快適で、ほぼ無料と言うのは有り難い限りである。

グエル公園風景   グエル公園ガウディーの作品群
治安の悪さに触れぬわけにも行くまい。
置き引きは被害者の責任としても、2.3人のグループで持っているものを狙われてはお手上げで
ある。   肩や脇に抱えたバックを下からポンとはたき上げ、浮いたところをかっぱらうのだから
芸術品である。  私達の場合は、現地のスーパーのビニール袋を利用して必要なものをもって
あるいていた。
 路上のテラスでお茶を飲もうと気が緩んだところへ、通り掛かりの人から話し掛けられ手振り身
振りで答えようとしたすきに、ビニール袋を持ち去られ、あわてて取り戻したわけである。

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路上のテラスといっても裏路地などではありません。 凱旋門横の人通りの多い横道
です。 右の写真のコーラーの傘があるテーブルに座ってアイスクリームを食べながら
談笑していたのです。  ビニール袋は目の前のテーブル上に置いていました。どうぞ
皆さんも十分に気をつけてください。

 大した収穫ではないと判断したのか、無事取り戻すことが出来たのだが、デジタルビデオカメラが
入っていたので、折角の思いで画像をなくすところであった。 皆さんも十分に気を付けてほしい。

モロッコ辺りからの違法住民の仕業と言われているが、私たちにはスペイン人との見分けはつかない。