高森登志夫への30万円支出は、議会の議決に先行して行われました(専決処分)。 こちらの録画と合わせてご覧下さい。


議長(村田一郎) 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。

 中村実議員。

[中村実議員登壇]

中村実議員 報告第1専決処分の報告につきまして、質疑を行います。

 平成18年、昨年第4回定例会でのやりとりを、やはり多くの方がご記憶でいらっしゃるかと思うんですが、その場におきましては過剰なまでに反応してしまった人もいたりしまして、やりとりをごらんの方、多くの方が何かあるなと、ぴんときておられました。この問題の背景には根深い構造的なものがありまして、解明するに当たっても一筋縄ではいきませんが、私自身の責務として順次解明していくことを誓うものであります。そこで、本日の質疑においては論点を絞り簡潔な質疑を行います。

 まず、これらの原画の著作権、いわゆるところの版権というんでしょうか、それらの権利はどこに所属するものと考えているのか。そして、借用料の50万円を提示したのはだれであったのか、回答を求めます。

 続いて、評価額に関して質問いたします。

 作者の申告額は495万円でありましたが、客観的な評価額は幾らであったのか、回答を求めます。

 また、精神的損害とありますが、どのような精神的損害をこうむったと申告しているのか、回答を求めます。

 今回の原画展の展示内容の多数を占める「吸血鬼の花よめ」に関しましては、貸出需要がごくわずかにもかかわらず、31冊もの考えられない冊数が購入されています。土橋悦子氏の著作「ぬい針だんなとまち針おくさん」の蔵書35冊に匹敵するものであります。「吸血鬼の花よめ」と「ぬい針だんなとまち針おくさん」、この共通項とは何か。それは、いずれも福音館書店から出版された書籍であるということであります。福音館書店の書籍が図書館をいかに席巻しているかは、昨年の第4回定例会で指摘したとおりであります。

 一昨年以前の原画展に関して、一昨年以前の借用料は無償だったと誇らしげに聞かされたりもいたしましたが、何てことはありません。無償で借りた先というのは、ほかでもない福音館書店だということも判明したりもしました。この客観的事実こそ、市民の方々の血税を惜しみなく支出する図書館と多額の公金を受領する出版社の実態であります。

 図書館が大量に購入した福音館書店の書籍から得る多額の印税収入に、開催されなかった原画展の50万円、そして今回の30万円と、この作者は船橋市民の税金を幾ら受領すれば納得すると考えているのか、回答を求めます。

 夏休みと原画展を控えた昨年の7月1日付で、各学校長あてに中央図書館長名で、「子供の本の原画展のポスター掲示及びチラシ配付について」と題する文書が配付されました。50万円という、およそ市民の方に理解され得ない高額の借用料等々の事情を知らない学校長と無垢な子供たちの手を介して保護者の方々の手にも渡されたことでありましょう。一連の事実を知った保護者の方々や先生方が紛れもないこの事実を許すとでも考えているのか、そして何よりも子供たちに顔向けができるのか否か、回答を求めます。

 以上です。(「こういうやり方でいいんだな、これから」と呼ぶ者あり)

[生涯学習部長登壇]

生涯学習部長(中台雅幸) ただいまのご質問に順次お答えいたします。

 まず、原画の著作権につきましては、高森登志夫氏にあります。

 次に、借用料の提示をしたのはだれとのご質問でございますが、原画の借用料につきましては、図書館の予算の範囲の中で図書館から作者にお願いしたものでございます。

 次に、申告額495万円に対して客観的評価は幾らであったかとのご質問でございますが、原画が盗難に遭ったことに伴いまして、借用しておりました原画の補償額を算定することは試みをいたしましたが、原画が盗難に遭って存在しないこと、また絵本原画の販売実績がほとんどなかったことから、客観的な評価額を得るには至っておりませんでした

 次に、精神的損害に対する慰謝料につきましては、高森氏からの申告ではなく、作品を10カ月近くもお返しできなかったこと、またこの間の氏との交渉等に対する心労に対し、市側の配慮として支払ったものでございます。

 次に、船橋市民の税金を幾ら受領すれば納得すると考えているかとのご質問でございますが、さきにもお答えいたしましたとおり、原画借用料及び慰謝料、いずれも市側から提示したものでございます。借用料50万円につきましては、2カ月にわたり52点の原画をお借りすることから支払ったものでございます。

 原画盗難により原画展を楽しみにしていた市民の皆様にご迷惑をおかけしたことは、改めておわびをいたします。

 以上でございます。


 「客観的な評価額を得るには至っておりませんでした」とありますが、本人申告額の8割にも満たない380万円が、客観的な評価額です。

 (一般質問をご参照いただければと思います)


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