日独裁判官物語
                              
                                                
 


 映画「日独裁判官物語」(片桐直樹監督)は、日本とドイツの裁判所の様子を比較して描いたドキュメンタリーです。
 ドイツでは、ハガキに「不満があるので争いたい」と書いて裁判所に送れば、裁判の申立として受理されるなど、市民ができるだけ裁判を起こしやすいように種々の配慮がなされていますが、日本では、裁判の形式重視、申立費用、裁判官・裁判所が少ないこと、裁判に時間がかかること、裁判所が憲法判断や行政行為の審査を回避する傾向のあることなどから、市民が裁判所を通じて権利を実現しにくいのが実情です。
 そして、人口あたりの裁判官の数が日本はドイツの約12分の1という数字もあり、日本の裁判官からは「なんでこんなに忙しいのか。毎日、裁判所の天井をあおいで怒り狂った日々を過ごした」、「1週間の労働時間は約80時間」、「記録を読む時間が十分ない」といった声が出されています。
 この映画は、日本とドイツの裁判所を比較し、「市民に開かれた裁判所」はどうあるべきかをみんなで考えようというものです。
 みなさんの中には、「わしも仕事は忙しい」、「裁判官は給料が多いのだから不満を言うのはおかしい」、「裁判所は自分には関係ない」と言う人もおられると思います。
 しかし、「役所の処理に不満がある」とか 「会社でリストラにあった」、種々の人権侵害、民事上の紛争などについて、最終的に解決をしてくれるのは裁判所なのです。役所は裁判所の示す判断にしたがって行政を行っていますし、裁判所が市民に利用しにくければ、これらの不満について解決することができません。裁判所の問題は、実は、見えないところで、市民の生活に大
きな影響をもたらしており、市民が「裁判所は自分に関係ない」と感じていること自体が深刻な事態といえます。
 憲法や法律で保障されている権利を実現するためには、裁判所のあり方の問題を避けてとおることはできません。
 これらについて映画を見ながら皆さんといっしょに考えたいと思っています。
 広島県北では、今までに、三次市、吉舎町などで上映しました。

 映画の上映についての問い合わせ 
    広島映画センター 082−293ー1119
    弁護士 石口俊一 082−222−0072
    弁護士 溝手康史 0824−64−0268

 
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