サマースクール旅日記 (August.2000)
 
     
 

8月3日(木)機上では熟睡

今年も例によって徹夜の荷詰め&バタバタの出発になってしまったけれど、何はともあれバスに乗れて(1時間に1本なのに危うく乗り遅れるところだった。5分も待っててくれたリムジンバスの運転手さん、どうもありがとう!)ホッとする。
予約していたバスに乗れたおかげで2時間以上前に着き、「余裕だ〜」とのんびりチケットを受けとってカウンターに行ってみると、長蛇の列。オーストラリアに行く便に乗るお客さんが、何かとトラブっているらしい。結局チェック イン出来るまで1時間くらいかかってしまった。スーツケースは軽いようにソフトタイプを使っているけれど、こんな時にはハードタイプに座っている人が羨ましい。

今年も利用航空会社はキャセイ。ミールサービスを「ウェスタン ヴェジタリアンで」とリクエストしておいたけど、去年の方が美味しかったみたい。(タイ航空はウェスタンの方が絶対美味しい) 来年は普通のヴェジタリアンに戻してみよう。
ロンドンまでの席は中央の通路側。トイレの近くになったのでうるさいかなと心配したけれど、テンピュールのランバーサポートのおかげかぐっすり眠れて、途中で配るダッツのアイスクリームも食べそこねたほどだった。

 

8月4日(金)試着で冷汗

朝5時45分、ヒースロー空港に着いた。第3ターミナルの入管はひどく混むので、ゆっくりトイレに行って列が短くなった最後くらいにパスポート検査を受けたけれど、それでも荷物は一息ついた頃に出てくることが分かった。こんなに朝早くにあせって動く必要はないので、今度からこの手だな。荷物がなくなったり中身を取られたりすると心配する人がいるけれど、私のスーツケースは見るからに金目のものが入っていないように見えるのか、一度もそんな目にあったことがないし。
そんなにゆっくりしていても、8時にはB&Bに着いてしまった。相変わらず受付の人は感じが良く、今年もこのホテルにしたのは正解だったと思う。気分良く旅を始められるような気がするもの。
去年のように部屋は空いていなかったけれど、とりあえず荷物を預けて身軽になった。

大通りに出ると、去年相棒の“ろう”と来た時にも写真を撮った、美しいSt.pancrasの駅が見えて懐かしい。
左に折れてユーストンの駅に向かい、今日の分のトラベルカードを購入。使用開始時間までカフェでバケットサンド(今年はプティサイズというのが出ていて、これが実にちょうどいい)とティーで一服し、忙しそうな人々を観察する。

ロンドン歩きの最初の目的地は、大英博物館の裏手のB&B。最後の日にMiyu先生と泊まる予定にしているけれど、インターネットで見つけたので、身軽なうちに荷物を持って通りやすい道と場所を確認しておきたかったから。
外観はお花が一杯で感じが良く、歩道の具合はまぁまぁ。なにより地図で確認していた通り、最後の日に必要な郵便局や空港バスの乗り場が近く、何かと便利な場所にあり、納得。
その後は、郵便局で切手を購入したり、ミュージカルのチケットを買いに劇場に寄ったりしてぶらぶらし、カフェでサンドイッチのお昼を済ますと一度荷物をほどきにB&Bに帰った。

今年の部屋は2階の中庭側。窓を開けると緑が見えて気持ちがいい。下の中庭に咲いているのは、紫陽花のようだ。
シャワーを浴びてすっきりすると、思わずベットに横になりたくなるけれど、がまんがまん。時差ぼけを直すために、今日は夜まで起きていなくては。

次の目的地は、いつも寄るダンス用品店。行ってみると配線工事の真っ最中で、大きなお兄さんたちが行ったり来たりしていて落ち着かない。それでも好きなタイプのオールインワンのレオタード(上から下まで続いているタイプ)を2着見つけて試着してみようと思ったら、試着室は今工事中なので、トイレで着てみて欲しいとのことだった。ただし、外ドアのノブが壊れているから完全に閉めちゃだめよ、と注意を受ける。
中2階にあるそのトイレは、確かにノブがぶらぶらしている。見るからに建て付けが悪そうなドアを開けると、正面に大きな鏡があって試着は出来そう。トイレのほうを覗いてみると、狭くてとても着替えられそうにないので、とりあえず外ドアを出切るだけ閉めて、洗面所のほうで試着しようと決めた。ドアを注意深く閉めようとするけれど、建て付けが悪いし、敷いてある絨毯が引っ掛かって大きく開いてしまう。ドアを引く手に思わず力が入って、あっという間もなくカチリと音がしてラッチがかかってしまった。

が〜ん。やっちゃった。。。一瞬固まってしまったけれど、ここで騒いでも仕方がない。覗き見される心配のない今のうちに、と試着してみた。どちらもぴったり。それはよかったんだけど、さて、どうするかなぁ。
ドアをガチャガチャやってみたけれど、店員のお姉さんが言ったとおりノブは壊れて動かない。「開けて〜!」とか「助けて〜!」とか叫んでみるけど、工事の音がガガガガッと鳴り響いていて聞こえないようだ。仕方がないのでドアを蹴っ飛ばしてみたけど、ドアそのものが結構古くて、割れたりしたらどうしようと思うとあまり激しくやるのもためらわれる。
恥ずかしいよねぇ。こんなところに閉じ込められるなんてさ。試着しにいったことは分かっているから、いつかは来てくれるだろうと思うけれどさ、とやけっぱちにドアを叩きながら待っていると、ついに「おぉ!大変」とかいう声が聞こえて救出してもらえた。やれやれ、よかった!
「私気をつけてドアを閉めたんだけど、自分で思っていたより力が強かったみたい」と言うと、「みんなそうよ。分かっていても、何度も閉じ込められるの」と返され笑ってしまった。

夕食はTottenham Court Rd.にあるスーパーで買った、クスクスとフルーツサラダとヨーグルトとチーズ。B&Bに帰って、お行儀悪くガイドブックを見ながら食べた。シャワーを浴びて、“う〜ん“と伸びをしてベッドに倒れこみ、B&Bらしい狭い室内を眺めると開放感が満ち溢れ、明日からサマースクールだという実感が湧いて来る。さぁ、明日はどうしようかな。