第2回原宿句会
平成2年11月3日 高尾山吟行

   
高尾山駅前集合、ケーブルカーで山頂へ
相模湖畔の蕎麦屋二階席にて句会  

     

  東人
杉苗の寄進の札へ蔦紅葉
尾根道のときに崖ありななかまど
足音の響く山路芒原
白樺の幹間の湖や秋沈日
うら若き十月ざくら高尾山

  敬二
柿紅葉影薄長く奥高尾
ドングリや何が下りだ足笑ふ
七曲がりハケの路より冬の蝶
リュック背に護摩たいており薬王院

  玄髪
磴上る四十路の足に落葉かな
山寺のすみわたる鐘秋深し
水引の花より赤き恋心
吹く風に色で応える紅葉かな
紺碧の空の青さや山紅葉

  浄
坂道や黄金に搖れる枯れ尾花
杉木立秋の陽差し込む条二つ
朱鷺色の鳥居くぐりし秋の風
山あいに夕陽落ちゆく秋の暮れ
仰ぐれば落葉頭を打つ高尾山

  香里
枝々の合間にとおる落葉風
子供らを隠してしまう冬すすき
男らの背に続きて落葉踏む
もの思う二人の背に紅葉ひとは

  利孟
大天狗天馳けたるか山紅葉
木洩れ陽に居眠りしたり山の芋
天高くドラム缶橋渡り行く
待人を捜すも楽し紅葉狩