143回原宿句会
平成13年5月8日

   


  千恵子
ざくざくと布裁つ音や若葉冷え
相客は八十翁や鰻食ふ
橋つなぐ筋のいくつや道頓忌
積木して卯の花腐しに飽きぬ子よ

  白美
網代戸の捩れて卯の花腐しかな
たこ焼を舌でさまして道頓忌

  武甲
古傷の痛み卯の花腐しかな
池田湖の夜にうごめく大鰻
桜鯛めしと混ぜ合ふ甘さかな

  正
むらきもの心新たに春叙勲
夕ぼたん廓の女膝を立て
客の来てより鰻裂く老舗かな

  利孟
道頓忌日がな太鼓を打つ人形
道頓忌カレーうどんに肉少し

  筝円
濁声の昼の酔客道頓忌
祭壇に首を傾け白牡丹

  明
児の泣きて外は卯の花腐しかな
雨樋の雫一滴著莪の花

  希覯子
やす傷の鰻も混じる川生簀

  翠月
道頓忌葉桜堀に大構へ

  美穂子
離陸待つ翼の息吹風光る
配列は入選句数および秀逸句数順