第185回原宿句会
平成16年11月11日

   
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  武甲
晒し置く石炭バケツ校舎裏
新札に女性登場文化の日
立冬や朝粥膳に五色の菜
朝刊の届きし音や夜学の灯
母島の学舎に捕鯨記念の碑

  美穂子
石炭の火掻けば闇の震へけり
座せばすぐ膝に猫寄る夜学かな
立冬の陽滲む蔵の壁の罅
調査てふ出航もあり捕鯨船
足許に命眠らせ草紅葉

  白美
石炭の燃えてジュラ紀の終わりかな
安皿に盛られ薄切り鯨肉
微かなる地震に目覚めて冬に入る
幕間のシャンパン余し冬茜
金髪も茶髪もありて夜学の子

  希覯子
鯨捌く大薙刀を振りたてて
立冬や金のなる木に薄埃
鴨撃ちの車の犬の空を見て
炭俵に詰めて契約野菜来る

  美子
バスの尻ぐつと振り出し紅葉坂
駅二つ過ぎ早や暮色冬に入る
鯨鍋囲む恋文横町裏
早々と石炭手当貰ひけり
創造の神降りてくる夜学なり

  正
小鳥来る森に詩聖を祀る堂
立冬やエスプレッソの熱く濃く
日章旗南氷洋に追ふ鯨
茅屋に石炭焚きし新婚期
山小屋の洋燈小暗き夜学かな

  和博
妻を恋ふ歌かもしれず鯨鳴く
小春日の平城の京の朱雀門
石炭のストーブなどで育ちけり
戒厳の街のざわめき今朝の秋
辞表にて断ち切る迷ひ今朝の冬

  利孟
ストールを纏ひ臍だし娘かな
書き取りを出し石炭を焚く教師
可聴域はづれし波長鯨鳴く
線香の銘に雲、風冬立てり
墨色に紙の相性夜学の火