第１９１回原宿句会
平成１７年５月９日

　 　
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美子 古染付玉兎文皿初鰹 側溝に素走る水や五月富士 大皿を海原として初鰹 思ひきり変へし髪形風薫る 花菖蒲光の中に老いにけり 　 直人 母の日や洗い張りして着る紬 せり声の艶のいや増し初鰹 ビル街に腕を晒して風薫る 腰屈む女船頭花菖蒲 跳ね動く白子贖い五月富士 　 箏円 群れ菖蒲切つ先に風重ねゆく 陽の高き頃より宴初鰹 スローライフ風を待ちたる鯉のぼり 美少女に紛ふ少年五月富士 夢に来ていさかひもあり桜散る

利孟 水口を開け菖蒲田に増す光 新造のビルに竹林風薫る 初燕風の荒さに抗はず 火を入れる捌く叩くと初鰹 五月富士風に乗りくる水の音 　 白美 辛口の酒を引つさげ初鰹 花菖蒲深閑として座禅堂 忠魂碑に日露云々五月富士 母の日の箱に十字の赤リボン 　 武甲 武者が乗るハーレーバイク菖蒲の湯 源平の故事の瀬音や五月富士 薫風やセパ交流のスタジアム 芝桜群れ巴の紋をなす 競り市を抜け行く風や初鰹

正 宿坊の五右衛門風呂に菖蒲の香 深川に江戸の名残や初鰹 アルプスを望む山小屋風薫る 五月富士背ナにパットの芝目よむ 口中に緑ひろがる新茶かな