第192回原宿句会
平成17年6月13日

   
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  正
蒼朮を焚いて書斎の人となる
麦の秋村のパン屋の薪の窯
古伊万里の皿に枇杷盛る骨董屋
浮いて来いクールビズてふ語の流行り
登り窯をぬくめる煙梅雨に入る

  武甲
軒先に雛の鳴く声枇杷熟るる
出張の着替と傘や梅雨に入る
肩掛けのスクールバッグ更衣
紫陽花や帯より落とす乱れ箱
この先は予報士泣かせうけら焚く

  直人
降りつみし浮世の塵や更衣
紫陽花やローラアシュレイ似合ふ人
仏前の枇杷一盛りのほのあかり
人待ちて黄心樹をきりをけらたく
梅雨入りや肩の痛みに指萎えて

  利孟
梅雨に入る握り手擦れの皮鞄
巣燕の尾嘴露はに丸みけり
腕まくりするそれだけの更衣
ボタ山の裾の石組み枇杷熟るる
蒼朮焚く復刻「球根栽培法」