198回原宿句会
平成17年12月7日

   
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 武甲
葉牡丹の強く抱き合ふ鉢を買ふ
切干や「裏にいます」の吊し書き
函館の街を彩る師走の灯
雪催ひ客の疎らな理髪店
雪起こし口数の減る操作室

 正
雪起し豊饒の海荒るるころ
雪女郎箱根の関を越えられず
葉牡丹や天気図の渦込み合へる
切干の昼出て半日ドック済む
両国に手打ち蕎麦喰ふ師走かな

 白美
紫の淡き葉牡丹佳き日かな
誤って皿滑り落つ師走かな
忘年会関東三本〆響く
切干の筵に玩具の茶碗かな
雪起し四輪駆動の車来る

 利孟
一と煮立ちさせたる豆腐雪起し
葉牡丹や0番線は始発線
ビートルズのテンポの緩さ師走かな
都鳥寄り来水上バス発てば
切干を炊くや陽の味風の味

 美子
余所者と素性の知れて雪起し
買ひ置きの電球下げて街師走
荒星や病む人からの便り読む
切干を庭に敷かれて庭狭し
葉牡丹の並ぶ花屋に日を数へ

 かめ
葉牡丹の一巻きごとに色淡く
切り干しの風に捩られ身の細る
吐く息の白さとともに煙吐く
渋滞を抜けて師走の湯に浸かり
暗天に枝分かれして雪起し

 直人
葉牡丹や藍の暖簾を肩できる
路地裏の裏に住まひて柿落葉
雪起し亭主の杓の鈍ぶ光り
発起して障子張替へ師走かな
送られし切干秘そか土匂ふ