第212回四天句会
平成19年2月16日

   
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兼題 雨水 淡雪 目刺
席題 針供養


  利孟
淡雪や飯粒で貼る火伏札
爪皮の下駄と唐傘針供養
黒錆のふきたる和釘雨水かな
焦げ藁の残る首刎ね目刺喰ふ
掃き寄せるそばから散らし春一番

  比呂四
晒されて腹より細る目刺しかな
侘助の紅のほころぶ雨水かな
事務室の窓を開ければ春の風
こんにやくの針の隙間に針供養
淡雪や目覚めとともに消えし夢

  美子
付添ひを終へて夜更けの蜆汁
雨水かな肩をいからせやつれ猫
淡雪の踏まれて立体交差点
お針子の着馴れぬ武晴れ着針供養
回遊の姿に目刺干されけり

  白美
ジャズ流る福生の街に目刺焼く
淡雪や葵の紋の大扉
棒鱈の煮付け余して湯治客
屋上のクレーン延びて雨水かな
針山の赤い半円針供養

  武甲
試し乗る新型農機雨水かな
淡雪やアトムの曲の発車ベル
太巻きを切り分け炙る目刺かな
蝋梅の山へ列なし登攀駅
運針の細き指先雨水かな

  耕平
手に取りし一会を納め針供養
羽織る物少し薄めに雨水かな
淡雪の降り出し街の静かなる
はらからの集ひし朝餉目刺焼く
我先に駆け薄氷を競ひ割る

  恵一 
しののめの冬木立より大鴉
淡雪を払ふや濡るる指のさき
ほの白き目刺にひびく波の音
マラソンの競ひ雨水の水を飲む


  正
山川のものに光の雨水かな
目刺焼く煙立ちこめガード下
淡雪や燃え尽くさむと老いの恋
町まぁに管弦ひびき針供養
春潮の木の間がくれに鳥の声

  直人
淡雪を前髪にとめ笑みし人
摘み草の手籠両手に雨水かな
芽吹きしを足裏に聞き野道行く
目刺し焼く七輪の火を煽ふぎては