第217回四天句会
平成19年7月17日

   
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兼題 小暑 梅干 帰省
席題 浴衣


  白美
梅干を頬張り異国の朝餉了ふ
帰省子の食べては椴のごとく寝る
耳病んで水着売り場は見るばかり
直しても崩れる化粧小暑かな
妻となりなにやら似合ひ藍浴衣

  恵一
梅干や母より受けし薄き眉
背広付け回る挨拶小暑かな
熟年や浴衣姿の身に添はず
残りたる門柱ひとつ鳳仙花
受話器より帰省うながす母の声

  美子
落ち着かぬ裾の軽さや宿浴衣
帰省せる仏間に夜具の積まれゐて
鷺の首いよいよ白し青田中
農協の農機具フェアー小暑かな
義嫁の干す梅干母に似て非なり

  武甲
水細き蛇口もどかし小暑かな
ライフセーバー肌浅黒く海開き
梅干を解して朝の湯漬けかな
出迎への笑顔に出会ふ帰省かな


  耕平
言へぬ事胸に抱きつ帰省かな
軽装と扉に貼紙の小暑かな
暑気払ひ辛口の酒選り抜いて
おにぎりの中身梅干尾瀬の昼
宿浴衣脛出して行く野天風呂

  正
その底に梅干のある旅鞄
夕風の大川端へ藍浴衣
巴里祭飛行機の描く三色旗
板の間に寝るもよろしき帰省かな
食べ物の一夜で腐る小暑かな

  比呂四
小暑かな選挙演説脂ぎる
ゆつたりと動けば玉の汗のヨガ
梅干を漬け当年の札を貼る
渋滞を避けて渋滞帰省せり


  利孟
ダム底に現はる校舎小暑かな
梅干にお茶と天突き体操と
梅雨深し死せるは残しトリアージ
帰省路の乗換駅の瓶牛乳
爪立ちのマヌカン人形大西日