第226回四天句会
平成20年4月16日

   
兼題 燕来る 風光る 立夏

兼題「二十四節気」は二年をかけて満願となりました
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください



  武甲
「直売」の筆のくせ文字梨の花
風光るあと一息の逆上がり
昭和の日缶に三粒のドロップス
空滑る曲芸飛行燕来る
夏立つや一念発起のジム通ひ

  恵一
杉苔のしずく匂へり風光る
風鐸のさみどり映す立夏かな
片栗の身を反らせては震へつつ
太鼓橋水にをりふし花の渦
鴟尾ひかる大仏殿や初燕

  千恵子
献杯の声の不揃ひ花は葉に
引き直す道の白線燕来る
見下ろせる湾のべた凪風光る
妻恋ひ涙こきまぜ花粉症
隣より鎌研ぐ音や夏立てり

  美子
立夏かな赤子に指を吸はれをり
猫の子の鼻面擦りて乳探る
荒物屋畳む張り紙初燕
巫女の手の榊の先に風光る
春摘みの紅茶の香り友偲ぶ

  比呂四
剪定の餌場に一枝残りけり
忙しき朝の出入りや燕来る
思ひ切り胸を反らせて立夏かな
退職をみなで祝ひて風光る
レッスンの窓開け放ち春の風

  利孟
古巣へと似たる燕であるやうな
点検の汽笛吹鳴立夏かな
新宿のあたりビル無く霾ぐもり
散り敷いてなほ満開の老桜
離陸への待機のしばし風光る

    義春
風ひかる三河の海に足ひたし
寝床へと聞こゆ田んぼの蛙かな
つばくろや飛びたるあとの江津湖畔
夏立ちぬ濡れし芝生の力かな
六義園撮す夜桜日付入れ