第227回四天句会
平成20年5月21日

   
兼題 香水 裸 麦こがし
席題 泥鰌鍋     .
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ご興味のおありの方はお探しください



  千恵子
のどちんこふるへ大泣き裸の子
香水の記憶の母を厭ひけり
本籍を移す話や麦こがし
騒ぎゐるほどには飛べず雀の子


  恵一
引き上げて銀の雫の鮎の籠
畦道の背負子の荷解き麦こがし
香水の香に振り向いて風を見る
小魚の跳ねる川面やえごの花
裸子の海に向かひてあぐ両手

  正
裸子の尻にしたたか蒙古斑
短夜の読み終えて置く「草枕」
深山の水に溶き混ぜ麦こがし
妻に似し香水の香に隣り合ふ
囮鮎の幟はためく千曲川

  武甲
鮎の骨抜くを指南の若女将
香水の甘さの残り試着室
五月場所手を打ち合はせ祝ふ勝ち
つかの間の晴れ間裸を楽しめり
麦こがし排気浄化のコンバイン

  美子
屋根職の茶請け新香と麦こがし
香水を忍ばせ通ふ介護棟
接ぎ穂なき話の中へほととぎす
裸子の玩具は己が手足なり
気短き人の静かに鮎を待つ

  利孟
指先に粉のきらめき麦こがし
丈競ひ合ひ屹立の松の新
身の軽きほどに大声裸の子
鮎を釣る鮎の棲家に足入れて
こびりつく金色香水壜の底

  比呂四
藻の下の水を濁らせ蝌蚪の群
串回しつつ振る鮎の塩加減
待ち人のまづ香水の香より
本開けて栞に散りし麦こがし
銭湯の裸で空ける牛乳瓶

  義春
素裸になりて我が家となりにけり
囮鮎瀬を狙ひては引く天蚕糸引き
慎重に喰ひ噎せ返り麦こがし
低頭の先香水の移り行く
木々知るや今季限りの万緑を