兼題 すし 夏書き 雷 席題 団扇 . |
比呂四 鯖寿司のずしりと重き押し加減 練乳の垂れを指もてかき氷 雷に打たれてよりのご神木 夏書きして升目に並ぶ墨光る 「旦はん」の斜め後ろの団扇かな 恵一 鮒鮓や瓦まばゆき湖の国 風蘭や純白の糸紡がれて 雷鳴の一本道を転び来る 墨痕の深緑なる夏書かな お社へ向かふ子の背の団扇かな 美子 羹の鱧の清しや朝の茶事 鮒鮓の客の渋面破顔かな 金封に布施と二文字夏書かな 魚炙る炭を叩きて渋団扇 日雷背後に迫り買ふ切身 |
義春 雷に撃たれて大地目覚むかな 鮒鮓や湖北の波の静まりて 息災を穂先に込めて夏書かな 客に風送りもてなす団扇かな 日傘さすうしろ姿の乙女めく 利孟 新幹線消ゆ雷鳴のあたりへと 折りの隅までをひと色あなご鮓 素気なき風のビニール団扇かな 夏書きめく出展準備きはめなく 若竹のしきりに皮を脱ぎひと日 正 舞妓の名入りの団扇の風匂ふ 短夜や栞をはさむ三国志 百獣の王も敵はじはたた神 青墨の滲むも美しき夏書かな 成田着真つ先に鮨喰ひにゆく |
武甲 踊り子の腰に「でん子」の古団扇 雷の電光太く空を裂く 夏書きや風を知らせる鈴の音 夏休み口伝てで知る山の宿 握り寿司自らおろすその日ネタ |