第233回四天句会
平成20年11月19日

   
兼題 大根 七五三 冬支度
席題 小春       
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください


  美子
貸ボート裏返されて冬支度
背の鷲のとぼとぼとゆく七五三
男めく老女の破顔小六月
手応へに測る重力大根引き
一声が一つの尺度猛り鵙

  武甲
薪を割る音の乾きて冬支度
小春日や手応へ軽き乳母車
大根をかじる大地の力得る
得意面照れる顔また七五三
船頭の口上に沸き小春かな

  比呂四
髪切るも少し長めに冬支度
老犬の半身小屋出て小六月
祝詞果て袖振り回し七五三
当てし刃に音たて裂ける大根かな
沢庵という名僧や干し大根

  利孟
上出来といふしなびれの干し大根
七五三ペコちゃん赤いべべを着て
冬用意まづは荒縄積み上げて
地を這ひて冬夕焼けといふ暗さ
小春かなコーヒーカップに蓋ついて

  正
湧き水に洗ひし大根売られをり
加湿器のタンクを洗ひ冬支度
下げ相場売るに売れずや懐手
大寺の軒の高みに烏瓜
七五三の思ひ出薄き戦中派

  義春
大根引くおそるおそるに腰落とし
大川の水底鯊の重なりて
空見つつ皇居周回小春かな
七五三背中の寝言は〆となり
北国のタイヤ黒くす冬支度