第246回四天句会
平成22年2月17日

   
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兼題 黄水仙 二月礼者 初午 
席題 啓蟄


  美子
血管の浮き出る仁王余寒なほ
初午や球根売りの頬被り
白黒の映画の余韻黄水仙
二月礼者娘婚家の勝手より
啓蟄の鳥の衆目芝根斬る

  利孟
啓蟄や湯屋煙突の薄烟
幇間の尻を端折りて着衣始め
初午や湯気のうどんに甘き揚げ
黄水仙ホーム外れの喫煙所
インタホンに名乗りて二月礼者なり

  武甲
深々と二月礼者の詫び口上
お届け日指定の小箱バレンタインデー
信念を曲げぬ生きざま黄水仙
初午や願ひ成就の納め札
啓蟄や電車の窓の薄曇り

  恵一
クリーニングのタグつけしまま着膨れて
初午や綿菓子持ちてVサイン
啓蟄の蚯蚓に雨の柔し
紋服の二月礼者の押すブザー
黄水仙朝のひかりに瞬きぬ

  義春
羽織着て二月礼者に脂粉の香
南欧の陽の明るさの黄水仙
残雪や大地の鼓動感じつつ
初午や峰から峰へ連なりて
啓蟄や世に幸せの予感あり