第256回四天句会
平成22年12月17日

   
兼題 桜鍋 蒲団干す 年の暮
席題 マスク
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください




  武甲
マスクして曇る眼鏡の奥笑ふ
竿にかけ車上にもまた布団干す
易断の本の平積み年暮れる
桜鍋肩組み歌ふ応援歌
句友得て忘年句会らしく果つ

  阿やの
保健室全開にして布団干す
女子会の気炎いよいよさくら鍋
息白く待てるふたご座流星群
ぎこちなき配達夫来て年の暮
理髪店釣りと粗品のマスクかな

  義春
さくら鍋肥後もつこすが声高に
酉の市またひやかしとなりにけり
マスクして粋なスパイとなりにけり
アポノート附箋の多き年の暮
蒲団干す屋根の瓦の温もりに

  美子
のうのうと猫の膨らむ干布団
交差点マスクの顔の無機質に
桜鍋泡立ち話し蒸し返す
ちぐはぐに重なるおてしよ年の暮
捨市に恵比須大黒離しかね

  比呂四
オーナーは名古屋ですから味噌おでん
あちこちのつけを支払ひ年暮れる
煮えたてを上げて卵へ桜鍋
マンションの窓の陽に寄せ干す布団
電車より次々マスクあふれ出て

  恵一
絵馬掛にびつしりと絵馬年の暮
膏薬を貼り回すかに布団干す
ライトアップの楓紅葉の紙のごと
煙草吸ふたびごとマスク外しけり
桜鍋馬の幻影払ひつつ

  利孟
鼻高くなれとなじませ紙マスク
梯子めく狭き階段桜鍋
星一つ光るきんとんクリスマス
宝くじ当たる当てよと年詰まる
蒲団干す窓の僅かの陽を盗み

  雨龍
年の暮れ工事の音のひびきたて
やまあひの藁屋一軒布団干す
さくらなべ遊び呆ける子らを呼び
道わきの枯葉の色の二つ三つ
マスクして朝の町掃く高箒