第209回 平成26年6月22日
兼題 河鹿 山法師



  利孟
 屋敷神竈の神の鏡割り
 シャンパンの残りを分けて小正月
 松過ぎのビルの狭間に残り不二
 盃を持つことがやうやく出来て屠蘇
 寒晴れや息長勝間勝競べ

  比呂
☆寒復習紅の小函に琴の爪
☆松過ぎや手持ち無沙汰の巫女だまり
☆コロンブスの立てし卵や冬晴るる
○氷らむとする湖の辺の幽か
○乳を欲る声の漲る淑気かな

  昭雄
☆胸抱きに取り込むおむつ冬うらら
○松過ぎの僧の素草鞋腕の法螺
○冬うらら深山の狐嫁支度
○冬晴れや空突き上ぐる大欅
 松過ぎや閨秀画家の水墨画

  一構
☆ハモニカの数字の譜面冬帽子
○千本の素振りに泣く子寒稽古
○繪手紙のにじみし馬や冬日和
○寒稽古錆の浮きたる模造刀
 冬ざるる賞を賜る寒立馬

  聖子
☆冬晴れや湖いつぱいの逆さ富士
○初参り上達遅遅と習ひ事
○冬晴れや子供太鼓の高ぶれる
 松過ぎの里より帰りひとりかな
 松過ぎの宮廷ロマンコンサート

  巴塵
☆松過ぎやはらはら降りる宮の鳩
○塩引の尾鰭と頭松過ぎる
○冬晴るる那須連山を独り占め
 冬晴れや枝それぞれに雑木山


  良人
○転た寝の露天の風呂に冬晴れる
○冬晴れや竹刀の音の乾き来る
○冬晴れの畔に餌を食む群雀
 冬晴れて那須日光の連なりぬ
 松過ぎの社に少し参詣人

  ミヨ
○すさまじき罅百貫の鏡餅
○初日待つ真紅なる雲の裾
○冬晴れや降りればくづるパラグライダー
 飾り取るのまず橙を取り置いて
 年の鐘合点させたる一打かな

  敬子
○黄梅の壺にあふるる美容院
○松過ぎてウクレレの鳴るケアハウス
○西国をめぐりし叔父や初観音
 小正月「くじけないで」の句集繰る
 冬晴れや切干乾く峡の家

  鵬
○寒雷や一つ聞こえて続かざる
○両親に子らの揃ひて御慶かな
 冬晴れて部屋の空気を入れ替へし
 山脈の後ろにそびえ白き富士
 松過ぎて花壇の除草始めたり

  健
○ベランダに椅子を出したる日向ぼこ
 冬晴れや背筋の伸びて街を行く
 松過ぎて本腰入れる仕事かな
 松過ぎていつもの味に戻る酒
 冬晴れに輝く景色細氷

  木瓜
○冬晴れや一直線に飛ぶ小鳥
 風花やゆつくり息を吐き出して
 松過ぎて寂しき風を友にセリ
 松過ぎて身を翻し新世界
 冬晴れや萬厳しき時なれど

  輝子
 冬晴れやお茶を淹れてと手招きす
 冬晴れの園庭あたり声届き
 抱く子と笑みし夫婦の冬日和
 松過ぎて一人くらしを持て余す
 松過ぎて常の通勤襟正す