第211回 平成26年8月24日
兼題 地蔵盆 酔芙蓉


  利孟
 色深むほどに重たき酔芙蓉
 秋暑し「フライドチキン」の箱に染み
 縒れ揺るる蠅取りリボン夕暮るる
 園長の僧のお話地蔵盆
 秋出水用水堀に叉手入れて

  比呂
☆閻王のかつと開く口油照り
△広目天の遠き眼差し酔芙蓉
・土用波に喘ぐ小舟の見え隠れ
 帰省子の下着カラフル夏蓬
 紙飛行機のへらへら落つる残暑かな

  良人
△三つ辻に子の連れ立ちて地蔵盆
△里遠き空峠の傍の地蔵盆
・道端に燃ゆる線香地蔵盆
 越中の八尾の古刹酔芙蓉
 辻踊る列を見守る酔芙蓉

  敬子
△高杯に五果を供へて地蔵盆
・コーヒーの豆煎る香り秋簾
・薄皮の小玉西瓜の甘さかな
・離れゐて親しき友や盆の月
 筆先を舐めて滲ませ酔芙蓉

  輝子
・花火咲き切りたるときに届く音
・雨上がりビルの影なる酔芙蓉
・清らかな風の甘さの冷え西瓜
・地蔵盆母子寄り添ひ願ひごと
・地蔵盆老婆の供ふ餡団子

  一構
・夏木立抜け木道の軋む音
・秋の蝉昼のカレーの激辛で
・凌霄花指笛空の青あおぎ
・晴れ渡る墓参の道の百日紅
 さりげなく首にタオルや秋に入る

  聖子
・参道の細き坂道地蔵盆
・地蔵盆母子並びて香手向け
・清流の風流れくる地蔵盆
・地蔵盆寺宝の軸の六地蔵
 トンネルを抜けて暮色や酔芙蓉

  昭雄
・酔芙蓉巫女の袴は胸高に
・地蔵墓過ぎ縁談の動き出す
・提灯を伸ばせばなりて地蔵盆
 姉妹揃ひの下駄や酔芙蓉
 父超ゆる見果てぬ夢や地蔵盆

  巴人
・手引かる子負はるる子供地蔵盆
・酔芙蓉とほりし風にほぐれゆく
・真白なるまぶしき今朝の酔芙蓉
 道の辺に城興寺あり地蔵盆
 地蔵盆十福祈る親子連れ

  信子
・闇よりの唄の声高盆踊り
・薄紅の仄と風恋ふ酔芙蓉
 暁の月ひぐらしの声のして
 ほのぐれに仕舞ふぃ紅色酔芙蓉
 梅雨木立旅行く先に行く先に

  鵬
・紫蘇の実をこき指先の匂ひかな
・地蔵盆親族集めお念仏
 妻と二人ひねもす墓所の墓洗ふ
 味噌添えて芳香放つ新生姜
 手花火を囲み歓声子等の群

  ミヨ
・胸高にしめた三尺地蔵盆
・遊水地千々に鳴き交ふ帰燕かな
 毛虫焼く言い訳しどろもどろかな
 教会や明治の森の白芙蓉
 この水着出しては仕舞ふ海はろか

  健
・境内を包む踊りや地蔵盆
 酔芙蓉池の蓮と券競ひ
 目を奪ふの盛装酔芙蓉
 安産を延生地蔵にと祈る盆
 半日の白の命や酔芙蓉

  木瓜
・雨粒の残りて紅の酔芙蓉
 夕空をうつして紅の酔芙蓉
 地に染まり地蔵盆ゆくアニミズム
 秋風にまた入れ替への気も巡り
 仏とも歩む道祖屋地蔵盆